Jobs | Bending Spoons
出典: jobs.bendingspoons.com

Bending Spoonsには昨年、約80万人が応募し、採用されたのは286人でした。選考では最長6時間のオンラインテストを使い、入社後も成果連動賞与を設けないなど、同社は独自の人事制度と高い業務上の期待を示しています。

80万人の応募者から286人を採用

Bending Spoonsはイタリアのテクノロジー企業、AOL、Eventbrite、Evernote、Vimeo、Miroなどを傘下に持っています。同社の製品は10億人以上に利用され、月間アクティブユーザーは4億人を超えています。昨年受け取った履歴書は80万件で、採用人数は286人でした。同社は採用過程の厳しさを、アイビーリーグの選考より100倍高いと説明しています。

最初の履歴書審査を通過した約6万人は、見慣れない問題を解く速さや新しい技能を学ぶ力を測るオンラインテストへ進みます。課題には最長6時間かかるものがあり、一部は監視下で実施されます。その後、面接段階に進む候補者は約3,300人です。

人材運営責任者のニコル・ワッサーマン氏は、通常の面接では口数の少ない人や英語を母語としない人が不利になり、自分を大きく見せる候補者が有利になる場合があると述べています。同社は実務的なテストなら、面接より技能や実績を誇張しにくいと考えています。最終判断は採用マネージャーではなく中央の人材チームが担い、個人の偏りを抑える仕組みだと説明しています。

テスト結果を採用後の評価にも反映

Bending Spoonsは応募者数に対応するため、Role Modelという採用ソフトウェアを自社開発しました。候補者のテスト結果に加え、過去の採用者が入社後にどう働いたかを含む採用データとAIモデルを使い、人材チームの担当者が年間数万件の応募を扱えるとしています。

採用者の仕事ぶりは最長2年間追跡され、選考モデルにフィードバックされます。ワッサーマン氏は、近年は選考をさらに厳しくし、成功につながる要素を見極める力も高まったと述べています。ただし、採用プロセスの実績と個々の候補者の適性は別のものであり、同社が採用後の評価をどのように測定しているかは、ここで示された内容からは分かりません。

採用テストと仕事の成果の関係については、1989年の研究が既存のメタ分析を比較しています。そこで紹介された入門職の業績評価との相関は、認知能力テストが0.53、職務サンプルテストが0.44、面接が0.14でした。

この数値では職務サンプルテストは面接を上回りますが、認知能力テストより低い結果でした。研究はBending Spoonsの選考やRole Modelを調べたものではなく、同社のテストが同じ予測力を持つことを示すものではありません。

賞与を設けず、株式購入機会を用意

同社は他のテクノロジー企業で一般的な業績連動賞与を支給していません。目標に連動する報酬は短期志向を促しても成果を確実に高めるとは限らず、同僚同士の関係を取引的にすると同社は説明しています。代わりに給与へ重点を置き、年1回見直します。

従業員は給与を通じて、割引価格で自社株を購入できます。上場後もこの制度を続ける方針で、2025年には購入資格のある従業員の84%が株式を購入しました。

社内ではエンジニアをジュニア、シニアに分けず、管理職は「リード」と呼ばれます。最高経営責任者から中核チームまでの管理階層は、多くの場合3段階以内です。ワッサーマン氏によると、職位ごとの差を定めることや肩書きを求める声への対応に多くの時間を費やした結果、同社はその作業をやめました。

買収した事業を長期保有する運営モデル

Bending Spoonsはデジタル事業を買収し、組織や技術、製品画面、開発、収益化などを変革しながら運営する方針を示しています。自社の説明では、事業を取得して変革と継続的な最適化を行い、収益を次の買収へ再投資します。また、これまで重要な事業を売却したことはないとしています。

同社はAirtableの全株式を現金で取得する契約を発表しました。企業価値は12億8,500万ドルで、Airtableの現金等を加味した株式価値は約22億5,000万ドルとされています。取引は規制当局の承認などを条件としており、成立までは両社が独立して運営を続けます。

Bending Spoonsは、買収後の変革でチームの再編や技術基盤の刷新、製品画面の再設計などを行うと説明しています。同社は人材、独自技術、独自データを事業運営の基盤に位置づけています。 Fortuneによると、エンジニアはEvernoteの構造を再構築した後、Vimeoの購読サービスや複数事業で使う決済基盤に携わることもあります。

一方、同社は従業員に高い負荷や期待を求め、十分な水準の働きでも、より高い貢献をする人がいれば契約を終了する場合があるとしています。2025年に中核チームを自発的に離れた割合は0.6%でしたが、全体の離職率は16.2%でした。買収後にAOL、Eventbrite、Vimeoで人員削減を実施したことも報じられており、同社の人材運営は成長機会と厳しい継続基準を併せ持っています。