
Commodore 64(C64)のキーを再現したキーキャップの3Dデータが公開されました。ANSI配列の60%からフルサイズまで対応し、C64風の刻印、一般的なPC用刻印、無刻印のセットを選べます。キー前面のグラフィック文字も再現しており、刻印に使われた書体データも別途公開されています。
ANSI配列の複数サイズに対応
このプロジェクトは、Ajazzの75%キーボード向けに作られたC64風キーキャップから始まりました。その後、60%、65%、75%、テンキーレス、フルサイズのANSI配列に使える構成へ広がっています。
用途に合わせてセットを選べます。C64 75%セットは81個、追加セットは37個です。標準的なPC用刻印のフルサイズセットは119個、無刻印セットは117個です。追加セットにはテンキーや、異なる底段配列向けのキーも含まれます。
C64風セットには、通常の文字キーに加えて、ファンクションキー、RESTORE、SHIFT LOCK、RETURN、C=キー、矢印キーなどが含まれます。60%や65%のキーボードでは、行やキー幅に合わせて一部を省き、必要なキーを追加する構成が案内されています。
前面の図柄はPETSCIIに由来
キー前面の図柄に関わるPETSCIIは、Commodoreのコンピューターで使われた8ビットの文字セットです。C64では、大文字とグラフィックを中心とする文字セットと、小文字・大文字を含む文字セットを切り替えて使えました。
アルファベットキーでは、通常入力で文字を表示し、Shiftキーを押すとキー右側の図柄、C=キーを押すと左側の図柄を入力する操作が使われていました。
このキーキャップでは、各文字キーの前面にPETSCIIの図柄を左右一つずつ配置しています。公開された書体には、63種類のPETSCII図柄に加え、ファンクションキーの表記、矢印、数字、記号、選択されたアクセント付き文字が収録されています。
書体データも別プロジェクトで公開
書体「C64 Keyboard」は、実物のC64キーキャップの写真を基に字形を再構成したものです。文字の輪郭は写真をそのままなぞらず、形を整えて全体の比率をそろえています。
書体はTTF、OTF、Webフォントの形式で配布され、ブラウザー上のプレビューも用意されています。プレビューではファンクションキーやPETSCIIの図柄を選び、文字入力欄に挿入できます。
キーキャップのデータは、スライス用の3MFとCAD用のSTEP形式で配布されています。書体はキーキャップとは別のプロジェクトで、書体データや編集可能な輪郭などはCC0 1.0で公開されています。キーキャップの設計データと写真はCC BY-NC-SA 4.0で、商用利用には使えません。
2色印刷と刻印の塗り分け
キーキャップは、FDM方式の多色印刷で刻印部分を別の色にする方法と、印刷後に刻印の溝へ塗料を入れる方法を選べます。3MFデータではキー本体と刻印のインレイが別パーツとして用意され、対応するスライサーでそれぞれに別のフィラメントを割り当てられます。
刻印の溝は深さ0.5ミリで、塗料を入れずに凹みを残す使い方もできます。樹脂方式ではキーの開口部を下向きにして30〜45度傾け、側面の縁と内側に支持材を付けて印刷する方法が案内されています。
別のキーキャップ制作者Matt3oの試作では、凹んだ刻印にUVレジンを充填して余分を研磨する方法と、エポキシパテを使う方法が試されています。同氏の試作では、UVレジンは表面を平らに仕上げやすい一方、後処理に時間がかかりました。パテは作業が速いものの、硬化時に収縮しました。FDM印刷後に塗料で刻印を埋める方法も選べます。











