Our First Mission Takes Flight | Cowboy Space
出典: cowboyspace.com

Cowboy Spaceは、ロケット上段を人工衛星として軌道上に残す「Big Iron」を発表しました。低軌道にAIデータセンター衛星2万基を配置する構想の中核で、初飛行は2028年12月を目指します。

Founder and CEO Baiju Bhatt with Reason-1 before launch.
出典: cowboyspace.com

上段がデータセンター衛星として軌道に残る

Big Ironは全高86メートル、直径4.7メートルのステンレス鋼製ロケットです。第1段には9基、上段には1基のClydesdaleエンジンを搭載し、液体酸素と液体メタンを燃料にします。

上段は打ち上げ後に軌道上へ残り、データセンター衛星として稼働する設計です。地上での重量は約1万5,000キログラムで、太陽電池パネルを展開すると全長は約132メートルになります。

衛星にはGPU(画像処理装置)を5ラック搭載し、計算能力は約1メガワットとする計画です。打ち上げ時に衛星を覆うフェアリングは軌道上で放熱器に変わり、GPUが生む熱を宇宙空間へ放出します。

2万基の配備には高い打ち上げ頻度が必要

Cowboy Spaceは、衛星群「Stampede」を低軌道に約2万基配置する計画です。ロケット1回の打ち上げで運ぶ衛星は1基のため、配備には計2万回の打ち上げが必要です。2万基を維持するには、毎年数千回の追加打ち上げも見込まれます。

同社は複数の打ち上げ拠点を設け、1日に複数回の打ち上げを行う考えです。各拠点には稼働する発射台を4基設ける可能性があるとしています。

第1段は再使用を予定しており、発表時のアニメーションでは海上の船に着地する様子が描かれました。

太陽光利用と排熱が設計上の焦点

宇宙空間で太陽光を利用し、地上の電力網に頼らず電力を得る構想があります。Cowboy Spaceの衛星も太陽電池パネルを展開します。

宇宙空間は真空のため、地上のような空冷や蒸発冷却は使えません。宇宙データセンターでは、チップから熱を回収し、熱輸送機器を通して放熱器へ運ぶ仕組みが技術課題になります。

放熱器は赤外線を放射して宇宙空間へ熱を逃がします。物理学准教授のRhett Allainは、真空中では熱が放射によってしか逃げないため、大規模な設備を冷やすには大きな放熱システムが必要になると指摘しています。Cowboy Spaceはフェアリングを放熱器に転用する構想を示しています。

打ち上げサービスと初飛行の目標

Big IronはStampede向け衛星の輸送に加え、顧客のペイロードを運ぶサービス「Big Iron Express」にも使う予定です。

初飛行の目標時期は2028年12月です。Cowboy SpaceはClydesdaleエンジンの開発と試験を進めています。創業者のバイジュ・バット氏は目標を「野心的」とし、実現が保証されているわけではないと述べました。

同社が現在運用している宇宙機は、2026年10月1日に相乗り打ち上げで軌道へ投入された衛星「Reason-1」です。Reason-1は、低軌道から地上の受信機へ高出力レーザーでエネルギーを送る技術の実証を担います。