DoorDash、Instacartを約170億ドルで買収へ 成立は2027年末以降の見込み
出典: about.doordash.com

DoorDashは食料品配送サービスのInstacartを約170億ドル(約2兆7,000億円)で買収する契約を締結しました。買収が成立すれば、DoorDashの配送網とInstacartの食料品マーケットプレイス、小売店向け技術を組み合わせる計画です。取引は2027年末から2028年前半に完了する見込みで、株主の承認や規制当局の審査が必要です。

1株65ドル(約1万円)、対価の75%以上は現金

買収額はInstacartの1株当たり65ドル(約1万円)で、株式価値は約170億ドル(約2兆7,000億円)です。この価格は、取引の可能性をめぐる報道が出る前の2026年10月22日の終値を26%上回ります。

取引対価の少なくとも75%を現金とする計画です。Instacartの株主は現金、DoorDash株、またはその組み合わせを選べます。DoorDash株による対価は全体の25%が上限で、希望が上限を超えた場合は按分されます。

Instacartの取締役会は契約を全会一致で承認しました。また、発行済み株式のおよそ19%を保有する株主が賛成票を投じることに合意しています。DoorDashは現金部分を手元資金と借入で賄う方針で、取引の完了条件に資金調達は含まれていません。

2つのサービスと店舗網を組み合わせる計画

Instacartのマーケットプレイスでは、顧客がアプリやウェブサイトで近隣の店舗を選び、注文後に地域の買い物代行スタッフが商品を選んで届けます。Instacartは全国・地域の小売店と提携しており、1,400以上の小売業者を扱っています。

注文者は配達の進み具合を確認し、買い物代行スタッフとやり取りできます。配達に加え、店舗での受け取りも選べます。DoorDashの配送網を、こうした店舗との提携や注文処理の仕組みに加える構想です。

DoorDashは、Instacartの利用者が新たに5万店以上を利用できるようになると見込んでいます。Instacartのプラットフォームには現在およそ10万店があり、両サービスを通じて地元の小売店や食料品店のオンライン販売を支える計画です。

会員料金や働き方に関する約束

DoorDashは、DashPassとInstacart+の会員が、2つではなく1つの会費で両サービスを利用できるようにする方針です。同社は、会費だけで年間約1億ドル(約160億円)の節約になると見積もっています。

買収後もInstacartのブランド、企業向け技術製品、アプリを維持する予定です。取引が成立するまでは、両社は独立した企業として運営を続けます。

DoorDashは、買収後も地元の食料品店に特定の配送プラットフォームとの独占契約を求めず、任意のサービスを選べると約束しています。Instacartの買い物代行スタッフは、働く時間や受ける注文を選ぶ柔軟性を保ち、DoorDashの注文を受けるか、Instacartの注文だけを扱うかを選べる計画です。

承認手続きと完了時期

取引は2027年末から2028年前半に完了する見込みです。条件には、Instacart株主の承認、米国の反トラスト法に基づく待機期間の終了または解除、カナダやイスラエルを含む各国の規制当局の承認などがあります。

DoorDashは、配送網とInstacartの食料品関連技術を両社のアプリや小売店自身のウェブサイトで活用し、店舗向けの広告やAIツールも提供する構想を示しています。