CeBIT 2005 Logo vom Foxconn Stand
写真: Strubbl / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

Foxconnが掲げるAIサーバーのシェア目標

Foxconn(鴻海科技集団)は、世界のAIサーバー市場で現在約40%のシェアを、来年には約45%、数年以内に50%へ引き上げる考えです。会長のヤング・リウ氏がCNBCのインタビューで見通しを語りました。

同社はiPhoneの組み立てで知られますが、AIインフラを成長分野に位置付けています。リウ氏は、今後3〜5年でAIインフラが売上高の60〜65%を占めると予測しています。この割合には、端末上でAIを処理するエッジAI機器を含めていません。

生産能力は少なくとも今後1年半分がすでに埋まっているとリウ氏は述べています。需要を支えているのは主にAIモデル開発企業とクラウドサービス事業者です。政府や一般企業には、導入が広がる余地があるとの見方も示しました。

米国ではAIサーバーラックなどを優先

Foxconnは米国で製造拠点を拡大し、サプライチェーンの上流工程へ事業を広げる方針です。リウ氏は、米国での製造費用が高いため、当初はAIサーバーラックやデータセンター機器など、利益率の高い製品に重点を置くと説明しました。

同社はサーバーやラックに加え、データセンターや計算サービスまで含むAIインフラの供給を目指しています。米国で生産規模を拡大すれば、将来的に製造コストを下げられる可能性があるとリウ氏は述べています。

AI事業への年間投資額は、計画している30億〜50億ドル(約4,700億〜7,900億円)を超える可能性があります。リウ氏によると、投資額は部品から完成品まで自社で担う垂直統合をどこまで進めるかによって変わります。

AIラックの拡大で電力と冷却の構成も変化

AIサーバーではGPUなどの演算用チップが使われます。同じ空間に置く従来型サーバーと比べ、チップの電力と冷却に必要な能力が大きくなる場合があります。Vertivは、AIチップが同じ空間の従来型サーバーに比べ約5倍の電力と冷却能力を必要とする場合があるとしています。

AIデータセンターのラック電力密度は、約5キロワットから100キロワット超へ上昇しており、200キロワットに近いラックもあります。Texas Instrumentsは、一部のAIクラスターが将来的に1.5メガワットに達する可能性を挙げています。冷却方式は空冷から液冷へ移っています。

液冷方式の一つであるダイレクト・ツー・チップ冷却では、CPUやGPUに冷却板を取り付け、液体で熱を運び出します。Vertivによると、この方式でラック内の熱の約70〜75%を取り除き、残る25〜30%は空冷で処理します。

競合各社もラック単位の組み立てを強化

Foxconn以外では、台湾のWistron、Quanta、Pegatron、Compal、InventecがAIサーバーを手掛けています。2025年にはFoxconn、Wistron、QuantaがAIサーバー需要の恩恵を受けました。Wistronの売上高は前年比108%超の伸びで2兆台湾ドルを超え、初めてQuantaを上回りました。

各社はサーバーの基板や部品だけでなく、完成したシステムやラックを組み立てる工程も拡大しています。NvidiaのGBシリーズはラック単位で出荷され、ラックの統合・組み立て工程の事業価値が高まっています。

Inventecはテキサス州でL10・L11の生産ラインを稼働させ、メキシコとタイでも事業を拡大しています。Compalはテキサス州に5億ドル(約790億円)を投じた工場を建設し、2026年後半の量産を目指しています。Pegatronのテキサス州工場は2026年前半に試験生産を始める予定です。

投資拡大には需要減速のリスクも

リウ氏はAI需要の強さを語る一方、投資を慎重に管理する必要性も強調しました。「過剰投資は会社を破綻させる」と述べ、AI事業を広げるなかでも支出を厳しく管理する考えを示しています。

大口顧客の一社がAI投資を減らしても、別の顧客の成長で補える可能性があるとリウ氏は述べました。一方、業界全体で需要が落ち込めば、FoxconnだけでなくAIサプライチェーン全体にとって大きな課題になるとの見方です。