
OmarchyのデスクトップをFreeBSDへ移植
FreeBSDの共同創設者の一人、Jordan Hubbardが、Omarchyのデスクトップ環境をFreeBSDで動かす独立プロジェクト「Daemonarchy」を開発しています。Omarchy自体はArch Linux向けで、Daemonarchyはその開発元とは提携していません。Omarchyの構成要素をFreeBSD用に個別に移植し、インストール用ISOにまとめています。
Daemonarchyは、タイル型WaylandコンポジターのHyprlandを使うデスクトップと、FreeBSDのシステムを組み合わせています。インストーラーは歓迎画面、キーボード、アカウント、ホスト名、タイムゾーンを尋ね、ディスク全体、選択したGPTパーティション、または空き領域へのインストールを扱います。
公開中の1.3.1はFreeBSD 16.0-CURRENTのスナップショットを基盤とし、x86-64向けにBIOSまたはUEFIで起動できます。ISOの容量は2,041,176,064バイトで、インストール時にはネットワーク接続が必要です。
10回の更新を経て公開された1.3.1
プロジェクトは約10日間に10回のリリースを重ね、現在の安定版として1.3.1を公開しました。1.2.0は公開されておらず、1.3.1は1.1.1に続く正式リリースです。
1.3.1ではMacBookPro16,1向けの開発作業が、固定したFreeBSD 16のインストーラーに組み込まれました。開発用インストールでは、Navi14グラフィックス、内蔵T2キーボードとトラックパッド、BCM4364 Wi-Fiでデスクトップが利用できたとリリース情報は記しています。
同リリースではWi-Fi接続とDHCPの確認、Appleのリカバリー環境からファームウェアを取得する手順、EFIの自動起動カウントダウンなども更新されました。正確なISOを使った仮想環境でのインストールと起動は成功しています。一方、最終公開版ISOをMacBookで実機起動する追加確認は行われていません。
Portsを組み合わせた独自のインストーラー
FreeBSDのPortsは、ソフトウェアのソースを取得し、展開、パッチ適用、コンパイル、インストールする手順をまとめたファイル群です。Portsから導入する場合はソースからビルドし、事前にコンパイルされたバイナリパッケージを使う場合はpkgで導入します。
DaemonarchyのISOには、FreeBSD本体とインストーラーに加え、公式のパッケージ配布に含まれないOmarchy関連のPortsや、対象スナップショット用のGPU・Wi-Fiカーネルモジュールが含まれます。ほかのデスクトップ依存パッケージはインストール時にネットワークから取得する構成です。
FreeBSDの通常のパッケージコレクションを使う環境に、Omarchy用に移植したPortsと設定を加え、導入手順をISOにまとめた点がDaemonarchyの特徴です。FreeBSDのPorts自体がデスクトップ一式を備えるわけではなく、Daemonarchyは個別のアプリや構成要素をまとめて起動可能な環境にしています。
CURRENTを基盤にするデスクトップ計画
FreeBSD-CURRENTは開発中のソースを含むブランチで、実験的な変更や作業途中の仕組みが入ることがあります。Daemonarchyの各イメージは、その時点のCURRENTスナップショットに結び付いています。
FreeBSDの資料は、CURRENTの利用者には高い技術力と問題を自力で解決する能力が求められると説明しています。また、ある時点のCURRENTでは新機能と同時に新たな不具合が入る可能性があり、公式なサポート対象ではないとしています。
FreeBSDをデスクトップとして使いやすくする取り組みには、Daemonarchy以前からある例もあります。helloSystemはFreeBSDの構成要素やパッケージ、独自コンポーネントからインストール可能なLive ISOを組み立て、Gitの各コミットに応じた継続ビルドも行っています。パッケージ構成や設定はビルド時に変更できます。
GhostBSDは簡略化したインストーラー、デスクトップ環境の選択肢、あらかじめ導入されたソフトウェアを備えるデスクトップ向けシステムとして紹介されています。FreeBSD Foundationの2021年の案内では、GhostBSD独自のパッケージリポジトリーに3万以上のアプリケーションがあると記載されています。
Daemonarchyは、FreeBSDのCURRENTを使いながらOmarchyのデスクトップとインストーラーを一つのISOに統合する試みです。Hubbardは開発にLLM(大規模言語モデル)によるコーディング支援を利用しており、この取り組みはFreeBSDプロジェクト内でのAI支援コードの扱いをめぐる議論にも関係しています。











