Weight Management for Adults with Obesity | Wegovy® (semaglutide)
出典: wegovy.com

米国の研究で視神経の障害との関連

オゼンピックやウゴービなどのGLP-1薬について、米国の2型糖尿病患者を対象とした大規模研究で、突然の視力低下につながるまれな目の病気との関連が報告されました。研究者は、患者や医療従事者が認識すべき関連だと述べています。

対象は、18〜65歳で2型糖尿病があり、血糖管理の薬を新たに始めた人たちです。セマグルチド(オゼンピック、ウゴービ)やチルゼパチド(マンジャロ、ゼップバウンド)を含むGLP-1受容体作動薬の使用と、虚血性視神経症の発生との関係を調べました。

虚血性視神経症は、視神経への血流が減ることで起きる病気です。視神経は目から脳へ視覚情報を伝える部分で、障害されると急な視力低下を招くことがあります。

増加幅は小さく、発症例はまれ

研究では、GLP-1薬を18カ月使用した場合、虚血性視神経症の発生が患者1万人あたり約3〜4例増えると推定されました。病気はまれですが、視力低下は突然起き、回復しない場合もあります。

症例は男性や、対象年齢のうち50〜65歳の人に多く見られました。症状には、片目の視界が急にぼやける、暗くなる、視野の一部が欠けるといった変化があります。

虚血性視神経症の多くを占める非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)は、視神経の前部に血液を送る細い血管の血流が不足し、神経が損傷する病気です。糖尿病や高血圧などはNAIONと関連するリスク因子です。視神経の血流が低下する過程には、血圧の低下や小血管の病気が関わると考えられています。

セマグルチドを調べた別の研究

デンマークとノルウェーの医療記録を使った研究では、2型糖尿病の治療を始める人を対象に、セマグルチドと、別の糖尿病薬であるSGLT-2阻害薬の使用後にNAIONが起きる割合を比較しました。対象はデンマークで44,517人、ノルウェーで16,860人で、両国合わせて32件のNAIONが確認されました。

調整後の発生リスクは、セマグルチドを使い始めた人の方がSGLT-2阻害薬を始めた人より高く、両国を合わせたハザード比は2.81でした。発生率の差は、1万人年あたり1.41件と推定されています。

関連の方向は両国で共通していましたが、推定値はノルウェーの方が大きく、幅も広くなっていました。デンマークのハザード比は2.17、ノルウェーは7.25で、この研究でも絶対的な発生率は低いと報告されています。

関連と原因は区別が必要

米国の研究はGLP-1薬の使用と視神経症の関連を示したもので、薬が視神経の損傷を直接引き起こすと確定したものではありません。患者の健康状態など、薬以外の要因が関連を説明する可能性もあり、因果関係を明らかにするには追加研究が必要だと研究者は述べています。

NAIONは、突然、痛みを伴わずに片目の視力が落ちる形で現れることがあり、視力の変化が残る場合もあります。発症後に視力が回復する人もいますが、多くは大きく変わらないとされています。

Rutgersの研究を率いたチンタン・デイブ氏は、突然の視力低下が起きた場合は早期に症状を捉え、眼科で評価を受けることが重要だと述べています。GLP-1薬を使う人が増えていることを踏まえ、薬と視神経症の関係を引き続き調べる必要性も指摘されています。