サイド吸気の前にGPUを移す実験
PCケース内のファン配置を変えず、GPUなどの部品の位置を動かす実験で、RTX 3080の温度が大きく下がりました。カードをケース側面の吸気ファンのすぐ前に置いた構成では、GPUコアが16.7度、ホットスポットが19.3度、VRAMが14度低くなりました。
実験を行ったのは、PCの構成を試すYouTubeチャンネルのTrashBenchです。デュアルチャンバーケースにAsus ROG Strix RTX 3080を取り付け、ケース側面の吸気ファン3基、背面排気ファン、上部の360mm簡易水冷CPUクーラーを使いました。
通常のPCIeスロットからGPUを移すため、PCIeライザーケーブルを使用しました。ライザーケーブルは、マザーボードと離れた位置にGPUを設置するための延長ケーブルです。ファンの回転数は固定し、3DMark Time Spyと12スレッドの7-Zip処理を同時に動かして温度を測りました。
底面や縦置きでは結果が異なる
最初にGPUをケースの底面へ移した構成では、カードのファンが底面メッシュに接触したため、メッシュを取り外しました。この配置ではGPU温度はほとんど変わらず、CPUは約4度、マザーボードの電源回路(VRM)は約7度下がりました。
一般的な縦置きマウントも試されましたが、GPU温度はわずかに上昇し、ほかの部品の温度は少し下がりました。ケース側面の吸気ファンの前に置く構成とは異なり、GPUを縦にするだけでは冷却効果が得られない場合があります。
サイド吸気の前に置くと、GPUコアは16.7度、ホットスポットは19.3度、VRAMは14度低下しました。VRMも約8度下がる一方、CPU温度の上昇は1.1度でした。側面からGPUへ直接空気を送る配置が、GPUの温度低下につながった結果です。
冷却とCPU温度のバランス
Club386が伝えた同じ実験では、ファンの回転数を固定したまま、Time Spyと12スレッドの7-Zip処理を10分間同時に実行しています。サイド吸気ファンの前にカードを置いた構成で、GPUコアは16.7度、ホットスポットは19.3度、VRAMは14度下がりました。
CPUクーラーのラジエーターを排気から吸気へ変更すると、CPU温度は約6度下がりましたが、ラジエーターから出る暖気の影響でGPU温度は上昇しました。GPUの配置をサイド吸気前に戻し、ラジエーターも吸気にした構成では、GPUホットスポットが14度、CPUが3.3度下がりました。
この組み合わせでは、GPUコアは10.5度、VRAMは7.8度低下しました。GPUを優先して冷やす配置と、CPUも含めて温度を抑える配置では結果が異なり、冷却のバランスを取る選択肢も示されました。
ケースごとの条件が結果を左右
TrashBenchは、この実験が厳密な科学的検証ではなく、ケースやファンの種類、取り付け位置が変われば結果も変わるとしています。測定された温度差は、使用した構成での結果です。
GPUを縦置きにする場合は、カードと側面パネルの距離も吸気量に関わります。CORSAIRは、カードがパネルに近すぎるとGPUファンへ届く新鮮な空気が減り、温度が上がることがあると説明しています。
GamersNexusが2018年に行った別のケースでの検証でも、ガラス面に近い標準の縦置きより、カードをマザーボード側へ寄せたマウントのほうがGPUコア温度を低く保ちました。同検証では、水平置きとマザーボード側へ寄せた縦置きのGPUコア温度は誤差の範囲で同等でした。











