
GitHubではコードのコミットやプルリクエストが急増し、2026年の過去12カ月間にCPUコア400万個、高速ストレージ160ペタバイト、ネットワーク容量50Tb/sが追加されました。エージェント型AIが開発作業に加わるなか、処理能力の増強とともにGitの基盤構成も見直されています。
コミットとプルリクエストが急増
GitHubで過去12カ月間に行われたコードのプッシュは179億回で、2024年と2025年の合計を上回りました。全種類のリポジトリにおけるコミットは343億件、マージ済みプルリクエストは13億件に達しています。プルリクエストは、変更案を提示し、レビューを経てコードへ取り込むための仕組みです。
2026年9月時点で、プルリクエストの40%超はエージェントが作業を始めていました。3月の17%から増えています。エージェント設定ファイルを備えてその年に作られたリポジトリでは、同じ年に作られた設定ファイルのないリポジトリと比べ、平均コミット数が8倍でした。
GitHub Actionsは、コードの変更をきっかけにテストなどの処理を自動実行するサービスです。2026年には毎秒1,440回のジョブを実行し、1日あたりでは1億2,400万回となりました。依存ソフトウェアを更新するDependabotのプルリクエストも3,000万件超がマージされ、2025年のおよそ2倍のペースでした。
エージェントはコードを変更し、PRを作る
コード補完型AIが入力中のコード候補を示すのに対し、エージェント型AIは指示を受けてコードを変更し、プルリクエストを作成できます。エージェントは作業の区切りでコミットを重ね、変更内容をまとめたプルリクエストを出します。開発者は変更を確認し、レビューや承認を通じて取り込みを判断します。
査読付き研究の一つは、マージ済みのエージェント作成プルリクエスト24,014件と人間作成の5,081件を比較しました。分析対象は、エージェント側が44万295コミット、人間側が2万3,242コミットです。研究では、エージェント作成のプルリクエストはコミット数に明確な差があり、変更ファイル数や削除行数にも一定の違いが見られました。
別の研究は、GitHub Copilot、OpenAI Codex、Claude Code、Devin、Cursorの5種類が作った3万3,596件のプルリクエストを分析しました。説明文の構成にはエージェントごとの違いがあり、レビュー担当者の関与、返答までの時間、マージ結果にも違いが関連していました。変更コードだけでなく、変更内容を説明する文面もレビューの進み方に関わる調査対象です。
処理能力の追加とGit基盤の再設計
GitHubは2026年にCPUコア400万個、高速ストレージ160ペタバイト、ネットワーク容量50Tb/sを追加しました。同社は容量を増やすだけでなく、ストレージと計算処理を切り離す設計へ移行しています。この構成変更は、エージェント利用に伴う開発作業の増加に対応するためです。
GitHubの従来構成では、リポジトリの複製を複数のファイルサーバーに保存し、その複製がデータの保全と読み出しの両方を担っていました。読み出しに備えて複製を増やすと、書き込み時に複数の複製が関わるため、プッシュ処理の負荷が増します。GitHubは新しい設計で、読み出し能力を増やす際に耐久保存用の複製も同じように増やさずに済む構成を目指しています。
新しいGit基盤では、正しさを保つために合意が必要な処理を絞り、それ以外のオブジェクト保存や検証を並行して進める方針です。リポジトリのデータ圧縮や不要データの整理も、稼働中のリクエストを処理するサーバーから分離した作業者が担う設計です。GitHubはサービスを稼働させたまま基盤を再構築し、Azureのマルチリージョン構成への移行を2027年初めに完了する見込みです。
開発者の確認と運用を支える設計
エージェントによる作業が増えるほど、プッシュやマージを受けて動く自動処理も増えます。Git基盤の設計では、書き込みを速くするだけでなく、継続的に発生する読み出しや保守作業をどう扱うかも課題になっています。
GitHubは、新しい構成でもブランチ保護や必須レビューなど、チームが使う既存の手順を支える方針を示しています。同社は監査ログやリポジトリの可視性を維持し、開発者がコードを確認、理解、承認できる状態を重視しています。変更を作る作業をエージェントが担っても、リリースする内容への責任は開発者が持つという設計です。











