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LibreSSL 4.4.0を公開
LibreSSL 4.4.0が10月22日に公開されました。OpenSSLから分岐した暗号・TLSソフトウェアの新しい安定版で、SHA-3の処理改善やバグ修正が含まれます。
LibreSSLは2014年にOpenSSLから分岐し、暗号ライブラリの近代化やセキュリティ改善を目標に開発されています。主な開発はOpenBSDのソースツリー内で行われ、Linux、FreeBSD、Windowsなどで使える形にも再パッケージされています。
今回のリリースではSHA-3の処理に、ループを展開する「アンロール化」と、複数の処理を組み合わせる「インターリーブ化」を使ったアルゴリズムが採用されました。Phoronixは、この変更によってSHA-3の性能が向上したと伝えています。
SHA-3の処理改善と互換性
SHA-3は、入力データから固定長の要約値を作るハッシュ関数の規格です。LibreSSL 4.4では、その処理を担うアルゴリズムに変更が加わりました。
アンロール化とインターリーブ化の具体的な実装内容や、変更前後の速度を示す数値は今回のリリース情報には含まれていません。そのため、どの処理でどの程度速くなったかを数値で比べることはできません。
SHA-3以外にも、移植性の改善、Microsoft Windows向けの修正、古いコードの削除、複数のバグ修正が含まれます。公開元はパッチ一覧とダウンロード先を案内しています。
eMudhra証明書への対応
LibreSSL 4.4では、eMudhraの「emSign ECC Root CA - G3」が削除されました。Phoronixは、eMudhraの中間証明書をめぐる秘密鍵の問題をこの変更の背景として挙げています。
問題となったのは、eMudhraが発行した中間証明書8件の秘密鍵です。調査報告では、対象のP-384鍵は生成時の不備により、秘密鍵の値がいずれも256未満となっており、証明書から短時間で復元できたとされています。
中間証明書は、ルート証明書とウェブサイトなどの証明書をつなぐ認証局の証明書です。秘密鍵を得た攻撃者は、対象の認証局を装って任意のウェブサイトやサービスの証明書を作れる可能性があります。
証明書の失効と各クライアントへの影響
Mozilla、Microsoft、Apple、Chromeのルートプログラムと複数の信頼ストアは、影響を抑えるための対応を進めました。調査報告では、FirefoxとChromeは10月17日、Microsoftのプラットフォームは20日、Apple製品は22日から対象証明書をブロックしたとしています。
eMudhraは10月18日に8件を失効させました。調査報告によると、ブラウザー以外には失効情報を利用しないクライアントもあり、修正版の信頼ストアを取り込む必要がある場合があります。
LibreSSLの証明書ストア変更は、SHA-3の高速化や移植性改善と並ぶ4.4.0の変更点です。LibreSSLは暗号機能を提供するlibcrypto、TLSライブラリのlibsslとlibtls、複数のユーティリティで構成されています。










