Linux mascot tux
写真: OpenClipart-Vectors from Pixabay. Based on Tux design by Larry Ewing (lewing@isc.tamu.edu) and The GIMP. / CC0 / Wikimedia Commons

Linux 7.3が予定どおり公開

Linuxカーネルの安定版「Linux 7.3」が公開されました。システムのI/O性能向上や、AMDの次世代CPU「Zen 6」に向けた準備などが含まれます。カーネルは、OSの中核としてハードウェアやソフトウェアの処理を管理する部分です。

Linux 7.3では、Steam Controller 2026向けのカーネルドライバー対応、旧世代AMD GPUの改善、ビデオメモリー容量が限られる環境での管理改善も行われました。

公開前の週にも、不具合や回帰への修正が取り込まれました。報告された変更には、2024年までさかのぼる一部のまれなSMP起動停止への修正や、特定のファームウェアを使うSamsung 990 PROおよび990 EVO Plus SSDへの回避策が含まれます。SMPは複数のプロセッサーを扱う仕組みです。

マルチキューが支える並列I/O

LinuxのブロックI/O層には、複数のキューを使ってストレージへの要求を並行して扱う「blk-mq」があります。SSDや不揮発性メモリーは並列アクセスに対応しており、blk-mqはその並列性を生かして多くのI/O要求を処理する仕組みです。

従来の単一キュー方式では、複数のプロセッサーが同じロックを取り合い、処理が滞ることがありました。blk-mqはCPUごと、またはNUMAノードごとのソフトウェアキューを設け、必要に応じてハードウェア側のキューへ要求を渡します。NUMAは、プロセッサーとメモリーの接続関係を区分して扱う構成です。

要求は、状況に応じてソフトウェアキューでまとめたり、スケジューラーで順序を調整したりしてからデバイスへ送られます。ハードウェアがすぐに受け取れない要求は一時的に保留され、次にキューを処理するとき、先行分から送られます。複数段階の処理が、ストレージの並列性を扱う土台になります。

7.3の変更は複数分野に及ぶ

このほか、Samsung製SSDの一部ファームウェアが機能を正しく申告しない問題への回避策など、公開直前に加わった修正もあります。

カーネル開発は次のLinux 7.4に向けたマージウィンドウへ移ります。Phoronixは、7.4が12月末より前に公開される可能性に触れています。今年のLTS版に7.4が選ばれるか、Greg Kroah-Hartman氏が7.3を選ぶかは未定です。LTSは長期サポート版を指します。