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出典: UCL News

英国のNEOPRISM-CRC試験では、ミスマッチ修復機能欠損(MMR欠損)またはマイクロサテライト不安定性高値(MSI-high)の特徴を持つステージ2または3の大腸がん患者32人が、手術前に免疫療法薬ペムブロリズマブを最大9週間受けました。追跡期間33カ月の時点で全員に再発は確認されず、治療後に小さな病変が残っていた患者でも、病変の増大や転移はありませんでした。この結果は対象を限った試験で得られたものです。

術前にペムブロリズマブを投与した32人を追跡

対象は、ミスマッチ修復機能欠損(MMR欠損)またはマイクロサテライト不安定性高値(MSI-high)の特徴を持つ、ステージ2または3の大腸がん患者です。英国の5病院から32人が試験に参加しました。

参加者は通常の手術後化学療法に代えて、手術前に最大9週間ペムブロリズマブを受けました。通常の治療では、手術後に3〜6カ月の化学療法を行うとされています。

手術を受けた患者を追跡したところ、33カ月後も全員に再発は確認されませんでした。治療後にがんの兆候が検出されなかった人だけでなく、少量の病変が残った人も含まれます。

再発なしの結果と標準治療の見込み

試験開始時の結果では、ペムブロリズマブ投与と予定された手術を終えた患者の59%で、病気の兆候が検出されませんでした。今回の追跡では、治療後に病変が残った患者でも、追跡中に増大や転移がなかったと報告されています。

UCLは、手術と術後化学療法を受ける患者では、3年以内に約25%が再発すると見込んでいます。この数字は標準治療を受けた場合の見込みで、試験参加者との直接比較試験の結果ではありません。

MMR欠損・MSI-highと免疫療法の関係

DNAのミスマッチ修復は、細胞がDNAを複製する際に生じる誤りを直す仕組みです。MMR欠損ではこの修復機能が損なわれ、マイクロサテライトと呼ばれる短い反復配列などに変化が蓄積し、MSI-highの状態につながります。

レビューでは、この特徴を持つ腫瘍には遺伝子変異が多く、免疫細胞に認識される新たな抗原が生じやすいと説明されています。実際に、こうした腫瘍には細胞傷害性Tリンパ球が多く浸潤する傾向があります。

一方、腫瘍は免疫チェックポイントの働きを強め、免疫から逃れることがあります。ペムブロリズマブはPD-1を標的とする免疫チェックポイント阻害薬で、この仕組みに関わる薬です。今回の試験結果は術前治療後の患者経過を示すもので、個々の患者に薬が効くかどうかを遺伝的特徴だけで決められるという意味ではありません。

血液検査で治療反応を捉える研究

研究チームは、血液中の腫瘍DNAの変化を調べました。血液から腫瘍DNAが検出されなくなることは、がんが残っていないことと強く関連していたとしています。

治療開始前の腫瘍組織を免疫学的に調べる方法も、治療反応の予測に役立つ可能性があると報告されました。研究チームは、個別化した血液検査と免疫プロファイリングを治療判断に活用できるか検討しています。

これらは試験で検討された予測手法で、治療を減らせる患者や追加治療が必要な患者を見分ける用途が構想されています。