
30カ月の使用で中央の線とタスクバーに焼き付き
TechSpotは、MSI MPG 321URX QD-OLEDを30カ月にわたり、毎日8〜10時間、約200ニトの明るさで使い続けました。用途はブラウザーや文書編集ソフト、表計算ソフトなどでの作業が中心で、同じ画面配置を保って焼き付きの変化を調べています。
使用時間は前回の約6,500時間から約8,000時間に増え、パネルが記録した補償サイクルは865回でした。TechSpotは4時間ごとを推奨間隔として紹介していますが、試験では作業を中断しないよう、モニターを使い終えた夜にのみ実行していました。
画面中央には、左右に並べたアプリの境目に沿って縦線が現れました。暗い灰色の画面では実使用中にも見え、TechSpotは軽い不快感があると述べています。タスクバーやアプリのアイコン、右下の時刻・日付表示の跡も残りました。TechSpotによると、タスクバーの変化は普段の表示では目立ちにくく、全画面の均一な映像で見えやすいとのことです。
保護機能は劣化を抑えるが、跡は残った
Gaming Review Guideによると、この機種には画面保護機能としてピクセルシフト、ピクセルリフレッシュ、スクリーンセーバーなどがあります。Gaming Review Guideは、ピクセルシフトについて、表示を1〜2ピクセルずつ動かし、固定位置に同じ画素が当たり続けるのを避ける仕組みだと説明しています。

Gaming Review Guideによると、累積使用時間が4時間に達するとピクセルリフレッシュの案内が表示され、短い待機中の処理に約5分かかります。補償サイクルは画素ごとの出力を調整する機能です。
今回の試験では、補償サイクルを推奨間隔より少ない頻度で実施する運用のもと、中央の線やタスクバーの跡が確認されました。保護機能を備えた機種でも、同じ場所に静止画を長時間表示すると跡が生じる場合があります。試験対象は一台で、使用条件も限定されています。

色の変化と最大輝度の低下
サブピクセル別の比較では、赤の劣化が最も小さく、青がそれに続き、緑の劣化が最も目立ちました。緑を含む合成色では焼き付きが目につきやすく、緑を使わない色では比較的目立ちにくい傾向をTechSpotは報告しています。
色温度は新品時の約6,440Kから、30カ月時点で6,292Kに下がりました。TechSpotによると、この値は測定した中で最も低く、画面は新品時よりわずかに暖色寄りになりました。

全画面SDRの最大輝度は、試験開始時の243ニトから18カ月後まで変化せず、その後21カ月時点で238ニト、30カ月時点で231ニトになりました。開始時からの低下は約5%です。TechSpotは、焼き付きの補償サイクルが最大輝度を下げるという説にも触れていますが、この試験結果だけでは低下の原因を補償サイクルと特定できません。
テレビの長期試験と今回の結果は条件が異なる
HDTVTestが紹介したRTINGSの試験では、102台のテレビを約3年間、最大輝度で合計18,000時間動作させました。各テレビには、画面下部にニュースティッカーが常時表示されるニュース番組が流されました。
この試験では20台が完全に故障し、別の24台は映像がほとんど見えない状態になりました。また、ローカルディミングのないLEDバックライト搭載機では、約18,000時間後に約6割で画質に影響する不具合が見つかり、複数のLEDの故障が確認されたとHDTVTestは報じています。
同じ試験では、動きのある映像で焼き付きは問題にならなかった一方、高輝度で静止したニュースティッカーを長時間表示したOLEDテレビでは跡が生じました。ただし、こちらはテレビを最大輝度で連続運転した試験で、約200ニトで作業に使った今回のモニター試験とは機器も条件も異なります。両者の結果から、モニターとテレビの寿命を直接比較することはできません。











