OpenCode Consoleで外部AIサービスのAPIキーが漏えいし、一部の利用者に不正請求やGoogle Cloudプロジェクトの停止が発生しました。影響を受けたのはConsole利用者の1.4%で、OpenCodeのオープンソースアプリとコマンドラインツールは対象外です。OpenCodeは、今回の侵入で漏えいした認証情報を使った大規模なモデル蒸留攻撃が行われたと説明しています。
漏えいしたキーと利用者への影響
影響を受けたのは、OpenCode Consoleに外部プロバイダーを連携していた利用者のキーです。OpenCodeの共同創業者Dax Raad氏は、Consoleとアプリ本体は別で、キーはアプリ本体には渡らないと説明しました。漏えいの最も早い可能性がある時点は、2026年10月17日午前0時30分(UTC)とされました。
利用者からは、Anthropic、OpenAI、Googleの利用料金に関する通知が相次いだとの報告があり、個別アカウントで数百ドルから1,700ドル(約27万円)超の不正請求が伝えられました。Googleは不正利用を検知し、一部のプロジェクトを停止しました。OpenCodeは影響を受けた利用者にメールで通知し、不正請求の返金を進めるとしました。
OpenCodeは侵入を大規模なモデル蒸留攻撃と位置づけました。蒸留は、大型モデルの応答を使って小型モデルを訓練する手法です。許可のない大量の問い合わせによる訓練は攻撃にあたります。Raad氏は、攻撃者が少なくとも48時間にわたりAIエージェントを使ってシステムを狙っていたと述べました。
防御調査で直面したモデルの制限
OpenCodeのチームは攻撃の調査にAIモデルを使いましたが、悪意あるコードの分析を依頼すると安全機能が作動し、モデルが応答を拒むようになったとRaad氏は説明しました。OpenCodeはその後、OpenAIのDaybreak Blueプログラムへのアクセスを得て、防御目的の調査に使ったとしました。
TechCrunchは、AIモデルの安全制限が攻撃者とインシデント対応者を区別できない問題を指摘しました。7月にはHugging Faceも、自律型AIエージェントによる侵入のログ分析で商用モデルに拒否されたと報告していました。
キー漏えいを受け、AnthropicとGoogleは露出したと判断したAPIキーを無効化しました。OpenAIはOpenCodeと連携してアクセスを復旧し、攻撃に使われたクレジットの返金に対応しました。OpenCodeも不正利用分の返金を進めるとしました。
Consoleで外部プロバイダーを使う仕組み
OpenCode Consoleでは、ワークスペースの管理者がプロバイダーを登録し、利用者は有効化されたモデルを使います。Consoleは登録済みの認証情報を保管し、ゲートウェイ経由で各プロバイダーへリクエストを送ります。利用者はプロバイダーのキーを直接見ることなくモデルを利用できます。
ConsoleのProviders APIを使う場合、利用者側のツールはConsoleが発行するサービスアカウントキーで認証します。Consoleはそのキーを接続先プロバイダーの認証情報に置き換えてから、リクエストを転送します。プロバイダー側のキーそのものはワークスペースの外へ渡りません。
ConsoleはプロバイダーのAPIリクエストを接続先へ転送し、応答を返します。接続で有効になっていないモデルへのリクエストは拒否されます。利用者が連携したプロバイダーのトークン料金はプロバイダーから請求され、Consoleは設定価格に基づいて利用状況や予算を記録します。
APIキーの管理と不正利用への備え
OpenAIは、APIキーが漏えいすると第三者による利用や請求につながる可能性があるとして、キーを環境変数などで管理し、アプリへ埋め込まないよう案内しています。漏えいが疑われる場合は、該当キーを削除し、利用履歴を確認してサポートへ連絡する手順を示しています。また、組織やプロジェクト単位の支出しきい値や上限を設定し、予期しない利用を監視する方法も挙げています。
Google Cloudは、APIキーの利用制限を設定すると、漏えい時に悪用できる範囲を抑えられると案内しています。不要なキーの削除、定期的なローテーション、利用状況の監視も推奨しています。キーごとにチームやアプリを分けると、アクセス管理や監査、漏えい時の影響範囲の把握に役立つとしています。
GoogleはAPIキーを認証情報として扱い、キーを持つ者が、関連付けられたサービスアカウントと同じリソースへアクセスできる場合があると説明しています。本番環境では、短期間のサービスアカウント認証情報など、より安全な認証方法への移行も推奨しています。OpenCodeはGoogle、OpenAI、Anthropicと対応を進め、影響を受けた利用者に各プロバイダーでキーを失効・再発行するよう案内しました。










