The sample plate in SolidCraft
出典: bherbruck.github.io

Rust製のオープンソース3D CADソフト「SolidCraft」が、バージョン0.7.0として公開されました。スケッチからソリッドを作り、寸法などのパラメーター変更に応じてモデルの履歴を再構築する設計で、AIエージェントからの操作にも対応します。Windows、macOS、Linux向けアプリに加え、Webブラウザー版もあります。

寸法変更を履歴へ反映する3D CAD

SolidCraftはRustで開発され、以前はSolveCraftという名称でした。Autodesk Fusionのようなワークフローを目指し、2Dスケッチに寸法や拘束を設定し、押し出しなどで立体を作る手順に対応しています。

パラメトリックモデリングでは、寸法や変数を変更すると、タイムラインに記録された工程をもとに形状を再構築します。タイムライン上の工程は編集、並べ替え、無効化、削除が可能です。

スケッチには直線、矩形、円、円弧、多角形、スプラインなどを使えます。拘束は一致、平行、垂直、接線、対称、同心などに対応し、寸法には単位付きの数式や変数も設定できます。

造形機能とファイル対応

ソリッドの作成機能には、押し出し、回転、スイープ、ロフトのほか、フィレット、シェル、穴、ねじ、パターン、ミラー、ブーリアン演算などがあります。複数部品を扱うアセンブリや、板金の曲げ、展開図、DXF出力にも対応しています。

設計データは、SolidCraft独自のコンテナー形式「.solidcraft」とJSONで保存できます。STEPとIGESはソリッドやアセンブリの読み込みに対応し、3MF、STL、OBJはメッシュとして読み込めます。STEP、IGES、3MF、STL、OBJへの出力も可能です。

デスクトップ版のほか、WebAssemblyを使うブラウザー版があり、WebGPUまたはWebGL2で動作します。コマンドライン版ではJSON形式のスクリプトを実行でき、モデルの計測や画像出力、ファイルのエクスポートを行えます。

MCPでAIエージェントから操作

SolidCraftにはMCP(Model Context Protocol)サーバーが組み込まれています。MCPはAIクライアントと外部アプリケーションをつなぐ仕組みで、SolidCraftでは対応クライアントからモデリング操作を呼び出せます。

エージェントはコマンドを通じてスケッチや立体を作成し、パラメーターを変更できます。体積や面積の計測、モデルの状態確認、スクリーンショットの取得、ファイル出力も実行できます。

MCPサーバーはコマンドラインから単独で動かす方法と、起動中のデスクトップアプリへ接続する方法があります。後者では、エージェントが行うモデリングをアプリ画面で確認できます。公式デモでは、電子機器用ケースの幅や肉厚を変更して形状を再構築する操作が紹介されています。

0.7.0の変更と開発段階

0.7.0では、積み重ねた押し出しの上にスケッチを作成する操作が修正されました。円柱の端面や板金面へのスケッチ、板金フランジの辺ごとの角度・高さ設定、非平面の輪郭を埋める機能なども追加されています。

このバージョンでは設計ファイル形式がバージョン15に変わり、SolidCraft 0.6以前では0.7で保存したファイルを開けません。一方、以前のバージョンで作成したファイルは0.7で開けます。

SolidCraftは開発初期段階で、スケッチ、ソリッドモデリング、パラメーター、アセンブリ、板金などを利用できます。サーフェス、製図、CAM、シミュレーションは今後の課題です。自前のサーバーで公開できるWeb版もあります。