
2026年10月12日、SpaceXはカリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からFalcon 9を打ち上げ、Starlink衛星27基を低軌道へ送りました。Falcon 9によるStarlink打ち上げは9月19日以来で、3週間を超える間隔が空きました。
打ち上げ時刻は米東部時間午後8時28分(現地時間午後5時28分)です。第1段ブースターは打ち上げから約8分半後、太平洋上の無人船「Of Course I Still Love You」に着陸しました。
今回のブースターはB1088で、打ち上げと着陸は20回目でした。第2段は衛星27基を軌道へ運び、打ち上げから62分後に展開しました。
Falcon 9の打ち上げ間隔とStarshipの飛行
9月19日のFalcon 9によるStarlink打ち上げから今回まで、Falcon 9でのStarlinkミッションはありませんでした。一方、SpaceXは9月28日、Starshipの14回目の試験飛行で次世代Starlink V3衛星26基を運び、軌道上で展開しました。
この飛行ではStarshipが初めて軌道に到達し、衛星の展開にも成功しました。したがって、今回の間隔はFalcon 9によるStarlink打ち上げの間隔であり、Starlink衛星の打ち上げ全体が止まっていた期間ではありません。
SpaceXは今後数年でFalcon 9とFalcon Heavyの運用を終え、役割をStarshipへ移す計画です。Starshipはなお試験飛行段階にあり、計画の移行は今後の飛行や運用にかかっています。
2種類のロケットで異なる衛星の運び方
Falcon 9ではStarlink衛星を積み重ね、ロケット上部のフェアリング(衛星を覆う保護カバー)に収めて打ち上げます。軌道到達後は、衛星をまとめて放出します。
Starshipでは衛星を機体の胴体内に搭載し、側面の開口部から1基ずつ出します。滑車とケーブルで衛星を展開位置へ送り、放出後に開口部を閉じる仕組みです。
Starshipは1回の打ち上げでStarlink V3を最大60基運ぶ設計です。SpaceXはStarship全体の迅速な再使用を目指しており、Falcon 9の第1段を回収して再使用する方式とは、回収・再使用する範囲が異なります。
V3衛星の打ち上げ計画
SpaceXのイーロン・マスク氏は、最終的に約10万基で構成するStarlink V3の衛星網をStarshipで打ち上げる構想を示しています。 9月28日の試験飛行は、V3衛星をStarshipで実際に運び、軌道へ展開した例となりました。
今回のFalcon 9は、従来の方式で27基を運びました。Starshipでは1回あたり最大60基を搭載する設計ですが、実際の運用計画は試験段階の飛行結果と結び付いています。
SpaceXは2025年にFalcon 9を165回打ち上げ、そのうち約4分の3がStarlinkミッションでした。2026年の今回の飛行はFalcon 9の年間112回目、Starlink向けでは82回目にあたります。
衛星網を維持する打ち上げ
Starlinkは低軌道を周回する衛星、地上局、利用者端末を組み合わせた通信網です。低軌道衛星は地上に比較的近く、地上と衛星の通信が可能なのは衛星が地上局から見える間に限られます。
低軌道衛星は地上の一点に対して秒速約7.5キロで移動し、軌道を約90〜110分で一周します。地上局と通信できる時間は1回あたり約5〜15分で、1日に6〜8回ほど通過します。
衛星が移動するため、通信網では利用者から見える衛星を切り替える必要があります。軌道の異なる衛星同士を連携させる構成は、広い範囲の通信と切り替えを支える方式として研究されています。 Starlinkの打ち上げが続くのは、衛星網の拡大に加え、寿命の限られた低軌道衛星を補充・更新するためです。











