The SparkyOS default desktop, with the Xfce panel across the top and a dock full of useful apps on the right.
出典: The Register

USB上で動くArch Linuxの初版

SparkyOS 2026.10が公開されました。Arch Linuxを基盤とするOSをUSBメモリーから起動し、内蔵ストレージへインストールせずに使えます。開発側は、対応するパソコンを使い分けながら、USB上の環境で更新やアプリの追加、データの保存を行う使い方を想定しています。

初版はArch Linuxのローリングリリースを基盤に、Xfceデスクトップ、Linuxカーネル7.2.11、AURとYayを組み合わせています。ローリングリリースは、固定版のように大きな版ごとに更新をまとめる方式ではなく、パッケージの更新を継続的に取り込む仕組みです。

配布イメージをUSBメモリーへ書き込み、そこから起動します。開発側が示す必要容量は16GB以上で、対象は64ビットのUEFI対応コンピューターです。デスクトップにはXfceを採用し、FirefoxやThunderbird、LibreOffice、メディアプレーヤーなどを備えています。

読み取り専用のライブ環境との違い

一般的なLinuxのライブUSBでは、OS本体をSquashFSという圧縮ファイルシステムに格納する方式があります。この方式では本体が読み取り専用となり、変更を保存する場合も、別ファイルに差分を記録する仕組みを使うことがあります。

SparkyOSは、USBメモリー上に展開して使うArch Linuxのインストール済み環境です。通常のディスクインストールと同様に、システムの更新やアプリの追加・削除、設定変更を行えます。パソコンの内蔵ディスクをパーティション分割せず、USB側に環境と作業データを置いて使う設計です。

初版イメージは展開後10GBで、ダウンロード時は3.2GBに圧縮されています。USBメモリー全体のイメージとして配布されるため、Ventoyのような複数の起動イメージをまとめるツールでは動作しません。起動後にUSBの容量を使い切る前に、ファイルシステムを拡張する手順も用意されています。

UEFI対応機とUSBの条件

SparkyOSはUEFI用の起動ファイルを含み、従来型BIOSだけのコンピューターでは起動できません。仮想マシンで使う場合も、イメージの形式変換が必要です。UEFIは起動時にEFIアプリケーションを読み込み、リムーバブルメディアでは所定の起動ファイルを探す仕組みです。

The Registerの試験では、64GBのUSBメモリーを使い、15年前のThinkPad W520、USB-Cポートのみを備えるDell XPS 13、OpenBSD 8.0を動かすX220で起動しました。試験した3台では動作し、X220からはOpenBSDのパーティションも認識しましたが、マウントはできませんでした。

USB 2.0だけの環境でも動作しますが、速度は低下します。The RegisterはUSB 3対応メモリーを勧め、USB-Aポートがある場合は青色のポートを使うよう案内しています。USBメモリーは書き換え可能な単位が大きく、空き容量を残すことが寿命を延ばす要因になるため、容量に余裕のある高速な製品が向いています。

更新と今後の展開

Arch Linuxでは更新を部分的に適用する方法はサポートされず、パッケージデータベースを更新した後はシステム全体を更新する必要があります。通常の更新にはpacmanの-Syuを使うよう、ArchWikiが案内しています。SparkyOSもArchを基盤とし、パッケージ更新を一般的なディスクインストール環境と同様に行う設計です。

ArchWikiは、AURのパッケージも慎重に更新するよう求めています。また、更新によって追加の手作業が必要になる場合があり、カーネル更新を反映するには再起動が必要になることがあります。SparkyOSはAURとYayを含むため、USB上の環境でもこれらの更新手順が関係します。

開発側の今後の項目には、BIOS対応のArch版、BIOS対応のDebian版、UEFI対応のDebian版、各版の暗号化が挙がっています。USBの書き込みを抑えるため、ルート領域はファイルの最終アクセス時刻を記録しない設定でマウントされ、スワップ領域は構成されていません。