TCLは32型・34型の最大700Hzパネルを計画
TCL China Starは、インクジェット印刷方式の有機EL(IJP OLED)を使い、最大700Hzのモニター用パネルを計画しています。サイズは32型と34型で、広州の第8.6世代工場で2028年に生産を始める予定です。
リフレッシュレートは画面を1秒間に更新する回数です。700Hzは1秒間に700回の更新に相当し、TCL China Starは大型サイズと高い更新頻度を組み合わせた製品を計画しています。
同社は2026年に、第5.5世代工場から27型・4K・120HzのIJP OLEDモニターパネルを出荷する予定です。MSIのクリエイター向けモニターに採用される計画で、第8.6世代工場では、より大型のパネルと最大700Hzの製品を目指します。
インクジェット方式が変える製造工程
IJP OLEDは、液体に溶かした有機材料を微細な液滴にして基板へ塗布します。従来の真空蒸着方式では、有機材料を加熱して蒸発させ、金属製のマスクを通して基板に付着させます。
ノートPC用OLEDパネルを対象にしたOmdiaの調査では、IJP方式の製造コストは従来のファインメタルマスク方式より約30〜35%低くなるとされます。材料利用効率やパネルの配置効率に加え、製造装置と保守のコストも比較上の利点に挙げられています。
第8.6世代基板を使った16.3型ノートPC用パネルの試算では、IJP方式は1枚の基板から66枚を製造でき、同等のファインメタルマスク工程より約10%多くなります。基板を全面使う処理が可能なためで、パネルのサイズや縦横比によって効率は変わります。
ASUSの720HzモデルはフルHD・24.5型
ASUSは、ネイティブで720Hzに対応する24.5型OLEDモニターを発表しています。解像度はフルHD(1,920×1,080)で、第4四半期の発売予定、希望小売価格は1,149ユーロです。
同じASUSの新しい24.5型OLEDシリーズには、560Hzと360Hzのモデルもあります。720HzモデルはLG DisplayのタンデムWOLEDパネルを採用し、560Hzと360HzのモデルはSamsung DisplayのQD-OLEDパネルを使います。
TCLの計画値はASUSの720Hzモデルに近い一方、TCLは32型・34型を予定しています。ASUSの発表機種は24.5型・フルHDであり、両社の計画や製品は画面サイズと仕様の組み合わせが異なります。
OLEDモニターの出荷増加をOmdiaが予測
Omdiaは、世界のOLEDモニターパネル出荷が2026年に610万枚となり、2025年から79%増えると予測しています。2027年には750万枚に達する見通しです。
2026年のパネル調達ではASUSが世界出荷の23%を占め、首位になる見込みです。MSIは14%、TPVは12%を占めるとされ、OmdiaはOLEDモニターを扱うブランドの広がりも予測しています。
Omdiaは、OLEDモニターの価格低下も普及を支える要因として挙げています。2026年には主流の27型・240HzゲーミングOLEDモデルで40%を超える値下げがあり、価格帯は約350ドルに達しました。2027年には約300ドルに近づくと予測されています。











