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出典: ubuntu.com

Ubuntu 26.10のSnapdragon X1 Elite向けConcept版をAcer Swift 14 AIで検証したところ、Ubuntu 26.04からのCPU性能比較が行われた一方、GPU描画や無線LANなどの課題が残りました。対象機は12コアのX1E-78100搭載モデルですが、Ubuntu 26.04以降、ソフトウェア上では8コアとして認識されています。

Ubuntu 26.10と26.04のCPU性能を比較

検証では同じAcer Swift 14 AIを使い、Ubuntu 26.04と26.10のCPU性能を比較しました。比較対象の環境では、Linuxカーネルが7.0から7.3へ、GCC(GNUコンパイラ)が15.2から15.3へ更新され、ほかのパッケージにも変更が加わっています。

公開されている本文の範囲では、ベンチマークの個別スコアや、どちらの環境が速かったかを示す結果は読み取れません。そのため、ここでは性能差の大きさではなく、比較対象となったソフトウェアの更新内容と、検証機で確認された動作状況を整理します。

今回の検証機は、Snapdragon X1 Elite搭載ノートPCのAcer Swift 14 AI(SF14-11T-X3RZ)です。機種のプロセッサーは12コアのX1E-78100ですが、Ubuntu 26.04以降はソフトウェア側で8コアとして扱われています。

Acer機ではGPUや周辺機能に未解決の問題

Ubuntu 26.10 X1E Conceptのクリーンインストール後も、この機種ではGPUドライバーがGPUを起動できず、描画はLLVMpipeへ切り替わりました。LLVMpipeはCPUでOpenGL描画を行うMesaのソフトウェア描画機能です。

この機種では、以前からGPUドライバーの後退があり、26.10でも状態が続いています。一方、Adreno GPUはほかのSnapdragon X1搭載機では動作し、このAcer機でも以前は動作していたと報告されています。

周辺機能では、バッテリー残量の報告が動作せず、音声も使えませんでした。Wi-Fiは接続できるものの、長時間のテスト中に切断され、再起動が必要になりました。

ファームウェア抽出にはWindows環境を使用

クリーンインストール後、Linuxドライバーが必要とするファームウェアを用意するため、qcom-firmware-extractを実行する必要がありました。このツールはWindows 11パーティションからファームウェアのバイナリを取り出すため、検証機ではWindowsパーティションを維持する必要があります。

Snapdragon X1のLinux環境に関するUbuntuコミュニティの説明では、機種によっては無線LAN用のボードファイルが上流に含まれておらず、ファームウェアを別途用意する状況が紹介されています。また、qcom-firmware-extractは標準ではインストールされず、利用者が手動で入手するものとされています。

同じコミュニティ投稿では、Windowsパーティションから抽出する場合、暗号化された領域を扱うための復号キーが必要になると説明されています。Windowsを経由せずに更新作業を行う方法にも触れていますが、今回のAcer機の検証ではWindows 11側からの抽出が必要でした。

Ubuntu側ではSnapdragon向け修正を追加

Ubuntuのlinuxパッケージに関する変更では、Snapdragon X Elite対応の改善と不具合修正を26.10に取り込む作業が進められました。前の開発サイクルから次のサイクルへの整理で外れていたパッチの一部を再適用し、新たな修正も加えています。

再適用された項目には、Acer Swift 14 AIのデバイスツリーが含まれます。デバイスツリーは、カーネルにハードウェア構成を伝える情報です。ほかに、X1E向けカメラ系列やHP EliteBook 6 G1q、Dell XPS 9345に関する修正も挙げられています。

新規項目には、Snapdragon X2 Extreme向けのデバイスツリーや、Lenovoの小型デスクトップとノートPC向けの対応が含まれます。Ubuntuの変更説明では、パッチの多くがlinux-nextやQualcomm関連の開発ツリーに由来し、主にX1E向けデバイスツリーとQualcomm固有ドライバーを変更するとしています。

機種ごとに異なるLinux対応状況

検証では、Ubuntu 26.10のConcept版を入れた後も、Acer Swift 14 AIでファームウェア抽出が必要なうえ、GPU描画、音声、バッテリー報告、Wi-Fiに課題が確認されました。カーネルやコンパイラの更新と、個々の機能が使えるかどうかは、別々に見ていく必要があります。

Ubuntu側の修正にはこのAcer機のデバイスツリーも含まれますが、検証で報告されたGPUや周辺機能の状態は残っていました。Snapdragon X1搭載PCでも機種ごとに対応状況が異なるため、今回の結果はSF14-11T-X3RZでの動作例として示されています。

検証者は、次の比較対象としてSnapdragon X2 Elite Extreme搭載のASUS Zenbook A16にも言及しています。Qualcommからレビュー用サンプルが届く予定で、今後のLinuxベンチマークに使う意向です。