
Canonicalは、読み取り専用を基本とするLinuxデスクトップ「Ubuntu Core Desktop」の開発を再開しました。ブラウザー中心の端末、開発者向けワークステーション、ゲーム機の3用途を初期目標に掲げ、今後数週間で日次ビルド用の基盤を整える方針です。Canonicalは具体的な公開日を公表していません。The RegisterはUbuntu 27.04の時期にプレビューが登場する可能性を報じています。
3用途を想定して開発を再始動
Ubuntu Core Desktopは、Canonicalが開発する未公開のデスクトップOSです。Canonicalは、Ubuntu Core Desktopの開発を担う専任の部門横断チームを設け、3つの用途を初期目標にして作業を再開したと発表しました。
想定するのは、ブラウザー中心の端末、開発者向けワークステーション、ゲーム機です。Canonicalは、これらの用途で実装を試し、設計上の前提や作業内容を確かめる考えを示しています。
開発は、2023年に開発者向けプレビューが発表された後、停滞していました。2023年には2024年の登場が見込まれていましたが実現せず、2025年のUbuntu Summitでも公開時期は決まりませんでした。今回は日次ビルドの準備が進んでいます。Canonicalは正式公開の日程を公表していません。
Snapを基盤に構成を分割
Ubuntu Coreは、OSの各要素やアプリをSnapというパッケージに分けて構成するLinuxです。ブートローダー、カーネル、デスクトップ環境、サービス、アプリまでをSnapとして扱う構想で、2023年のプレビューではデスクトップの多くを単一の基盤Snapにまとめていました。
再開後の優先課題は、デスクトップの構成要素を分離することです。ディスプレイマネージャー(ログイン画面)やデスクトップ環境、ブラウザーなどに明確な境界を設け、それぞれを独立して更新・変更できる構成を目指しています。
Ubuntu Coreでは、システムやSnapは読み取り専用で提供され、アプリが使える資源はインターフェースを通じて明示的に許可されます。Snapはシステムの構成要素とアプリの配布にも使われ、更新が中断した場合などに備えたロールバックや再展開の仕組みを想定しています。この方式をデスクトップへ適用するには、従来のLinuxデスクトップと異なるアプリの権限や構成にも対応する必要があります。
アプリの隔離と利用可能性が課題
Ubuntu Coreではアプリを厳格に隔離して動かす必要があり、既存アプリへの対応と十分な品ぞろえが課題です。Snap Storeには1万1,000を超えるSnapが公開され、その多くはUbuntu Coreと互換性がありますが、従来の権限設定である「classic confinement」を使うアプリには追加作業が必要です。
Visual Studio Codeはclassic confinementのSnapとして配布されており、Ubuntu Core上ではそのまま動かせません。Canonicalは、開発環境を隔離する「Workshop」内でグラフィカルアプリを動かし、そのウィンドウをデスクトップに表示する方法を検討しています。
Canonicalは、アプリにカメラやマイクへのアクセスを許可する際の確認機能や、Snap同士の依存関係を扱う仕組みも課題に挙げました。一方、ブラウザー中心の用途ではFirefoxやChromiumのSnapを利用でき、Canonicalはこの用途が3つの中で最も早く実現できると見ています。
開発用環境とゲーム機にも展開
開発者向け用途では、Canonicalの仮想マシン・コンテナー管理ツールLXDと、隔離された開発環境を用意するWorkshopを組み合わせる構想です。Canonicalは、Workshopを使えば開発環境を端末本体から切り離し、プロジェクトごとに共有できる環境を用意できると説明しています。
ゲーム機向けでは、ゲームごとに異なるProtonの版やグラフィックス関連ソフト、デバイスドライバーを扱う必要があります。Canonicalは、Snapを組み合わせるモジュール構成で、ゲーム用の要素をシステム本体の安定性に影響させずに更新できる仕組みを目指しています。
ゲーム専用端末では、起動後すぐに通常のデスクトップを表示する以外の操作モードも検討対象です。The Registerは、ChromeOS系、FedoraのAtomicエディション、SteamOSがそれぞれ近い用途ですでに使われてきたと指摘し、Canonicalの取り組みを後発の再挑戦と位置づけています。











