mpv.io
出典: mpv.io

Waylandの色管理をプロトコル経由に

オープンソースのメディアプレーヤー「mpv」のバージョン0.42が公開されました。Waylandの色管理プロトコルへの対応やLinuxでのHDR信号処理を加えたほか、DVDメニュー操作やDVD-Audio再生にも対応しています。

従来、mpvはWayland上で色管理を行う際にVulkan APIを介していました。0.42ではWaylandのプロトコルを通じて色を扱う方式に対応し、アプリケーションがコンポジターへ色空間を伝える経路を用意しています。

Waylandの色管理プロトコルでは、アプリケーションが画面上のサーフェスに色管理用の情報を結び付けられます。コンポジターはその情報をもとに、出力先の色設定に合わせて表示を処理できます。

HDR映像の表示に関わる変更

HDRは、標準的なSDRより広い輝度範囲を扱う映像方式です。0.42ではWayland向けにBT.2100のマッピングを追加し、scRGB出力にも対応しました。scRGBは拡張された値域を扱う色表現で、WaylandのプロトコルにはWindows-scRGB用の画像記述を作成する仕組みがあります。

HDR表示には、アプリケーション側の対応だけでなく、コンポジターやディスプレイ側の色管理も関わります。HDR対応ディスプレイでは、色域や伝達関数などの設定が表示に使われ、色管理に対応したコンポジターはアプリケーションの色空間情報を扱います。mpvのリリースでは、LinuxのDRMコードにおけるHDR色空間の信号通知も改善されました。

再生とネットワーク機能を追加

ネットワーク再生には、libcurlを使う新しいバックエンドが加わりました。HTTP/2とHTTP/3に対応し、接続の再利用もサポートします。

ディスクメディアでは、DVD-Video、Blu-ray HDMV、BD-Jのメニューを操作できます。DVD-Audioの再生にも新たに対応し、DVD-Video、DVD-Audio、Blu-rayのISOイメージを直接再生できます。ISOイメージはディスクの内容をまとめたファイル形式です。

動画や字幕の再生機能も広がりました。Dolby Vision Profile 7の拡張レイヤー対応が強化され、YouTubeのSRV3字幕はsubrandrライブラリーを通じて扱えるようになりました。AMDのFrame Rate Conversionフィルターも追加されています。

更新前に確認したい要件

mpv 0.42の利用にはFFmpeg 6.1以降とlibplacebo 7.387.0以降が必要です。Waylandの色管理やscRGB出力など、追加された機能を使う場合は、利用する環境側の対応も関係します。

公開された変更には、Windows向けのlibmpv D3D11レンダリングAPIバックエンドや、DSD-over-PCMのパススルー対応も含まれます。プレイリスト内のMPEG-TSプログラムやHLSバリアントをエディションとして扱う変更もあります。

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