
ローマ発パース行きが欠航
カンタス航空は、機内の一部座席でトコジラミが確認されたとして、土曜日に予定していたイタリア・ローマ発オーストラリア・パース行きの便を欠航しました。対象機はボーイング787ドリームライナーで、整備チームによる徹底清掃のため運航を見合わせました。
トコジラミが見つかったのは、前日のパース発ローマ行きの便の後です。この便は約17時間の飛行で、乗客の一部が虫に刺されたと訴えていました。
カンタス航空によると、影響を受けた乗客には宿泊先が提供され、当初の出発予定から48時間以内に代替便へ振り替えられました。同社は欠航について乗客に謝罪しています。
前便で乗客が虫刺されを訴える
前日の便では、乗客から虫に刺されたとの申し出がありました。報道によると、かゆみを和らげる抗ヒスタミン薬が配られましたが、用意した分はなくなりました。
カンタス航空は、エコノミークラスの一部座席で問題を確認したと説明しています。
トコジラミは羽が退化しており、自力で長距離を移動できません。一方、人が移動する際の荷物などに付着して運ばれることがあり、航空機での移動に伴って別の場所へ持ち込まれる経路になり得ます。
荷物に付着して移動する性質
昆虫研究家の伊藤弥寿彦氏によると、トコジラミは日中、寝具や家具の隙間などに潜み、夜になると活動して人や動物の血を吸います。成虫は4〜5ミリほどで、犬や猫、鳥などの血も吸うことがあります。
座席や荷物は、トコジラミの潜伏場所になったり、移動の際に接触したりすることがあります。
伊藤氏は、トコジラミが一度吸血すると1年以上生きることがあり、実験室では1年半吸血せずに生存した記録もあると紹介しています。
狭い隙間に潜み長く生存
日本有害鳥獣駆除・防除管理協会の技術監修責任者、髙橋祥氏が監修した解説によると、トコジラミはベッドや家具の隙間だけでなく、電車やバスの座席など、多くの人が触れる場所にも潜伏します。暗く狭い場所を好み、明るい時間帯は隠れて過ごします。
同協会によると、部屋にいるトコジラミが、ベッドやソファに座った人の衣類に入り込んだり、鞄に付着したりして生息場所を広げることがあります。こうした移動の仕組みは、飛行能力がないトコジラミが人の移動に伴って運ばれるという伊藤氏の説明とも重なります。
トコジラミは血液を得られない状況でも1年以上生存できると、同協会は説明しています。家具や布地の隙間に身を隠し、長期間生きられる性質があります。
欠航と機体清掃の対応
トコジラミに刺された跡はかゆみを伴うことがありますが、通常はより深刻な健康問題を引き起こさないと、英国の国民保健サービス(NHS)は説明しています。一方、駆除には寝具や衣類などの処置が必要になる場合があり、カンタス航空は機内でトコジラミを確認した後、清掃のため運航を止めました。










