
盗難から100年、一般公開を再開
フランスのシャンティイ城にあるコンデ美術館で、ピンクダイヤモンド「グラン・コンデ」の展示が始まりました。1926年の盗難からほぼ100年を経て公開され、会期は2027年1月3日までです。

グラン・コンデは洋梨形にカットされた9カラットの宝石です。フランス革命を生き延びた数少ない王室宝飾品の一つとされ、18世紀からコンデ家のコレクションに記録されています。
展示会場はシャンティイ城内の「プシケの回廊」と宝石の間です。コンデ美術館と宝石芸術学校が共同で企画し、歴史と宝飾芸術に関わる二つの展示空間で公開しています。
くり抜いたリンゴに隠されたダイヤ
盗難は1926年10月、シャンティイ城で夜間に起きました。犯人たちはダイヤをくり抜いたリンゴの中に隠していましたが、宿泊先で空腹になったメイドがリンゴにかじりつき、数週間後に発見されました。
今回の展示では、宝石の歴史や盗難に関する未公開の記録資料も紹介されています。ダイヤそのものについても、宝石学や歴史学など複数の分野にまたがる調査が行われました。
調査では、宝石の特徴を明らかにするための分析も進められました。コンデ美術館の館長マチュー・デルディックは、ダイヤを個別に識別できるよう、その性質について広範な学術調査を重ねたと述べています。
王家を渡った来歴と残された謎
グラン・コンデの来歴を示す最初の記録は、1740年に作られたコンデ公ルイ・アンリ・ド・ブルボンの遺品目録です。その後、フランス王ルイ・フィリップ1世の妻マリー=アメリー・ド・ブルボン=シチリアと、その息子オマール公アンリ・ドルレアンが所蔵しました。
オマール公は、シャンティイ城とともに宝石をフランス学士院へ遺贈しました。城はパリの北約50キロに位置し、絵画や写本などを含むコンデ美術館のコレクションを所蔵しています。
ダイヤの正確な起源は分かっていません。コンデ公の目録に登場する以前の経緯も、今回の展示で歴史研究の対象として取り上げられています。
ピンク色の成因と希少性
天然のピンクダイヤモンドは市場に出回る機会が少なく、採掘量や宝石学的な記録も限られてきました。GIAの研究では、天然色のピンクダイヤモンド1,490個を調べ、窒素を比較的多く含むタイプと、ほとんど含まないタイプに分けて特徴を比較しています。
ピンク色は微量元素によるものではないとする研究結果があります。GIAの論文は、色の成因について研究が続いているとしたうえで、褐色ダイヤモンドに色が生じる仕組みと似ている可能性を挙げています。
別の宝石解説では、ピンクダイヤモンドの発色は結晶構造の歪みによるものとされ、濃く鮮やかな天然・未処理の石は希少だと説明されています。ピンクダイヤモンドは色合いによって評価が異なり、オークションでは2017年に7,120万ドル(約110億円)で落札された例もあります。










