タイムズカーの個人情報漏えいを巡り、損害賠償請求を検討する集団訴訟への参加希望登録が3万人を超えました。登録は訴訟への正式参加を意味しません。弁護士は委任手続きなどを経て、提訴するか判断する方針です。
約660万アカウントの情報が漏えい
運営会社のタイムズモビリティは、Webシステムへの不正アクセスを9月25日に検知し、翌26日午前7時25分までに侵入経路を遮断しました。9月28日、現会員や退会済み会員、入会未完了者、法人向けサービスの利用者など、約660万アカウント分の情報が第三者に取得されたと発表しました。
漏えいした情報には、氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス、運転免許情報などが含まれます。約160万アカウントでは、運転免許証など本人確認書類の画像も対象となりました。
牧野法律事務所の牧野裕貴弁護士は9月30日に参加希望者の登録サイトを開設し、10月4日に登録者が3万人を超えたと明らかにしました。タイムズモビリティは対象者への個別案内を進め、退会済み利用者向けの問い合わせ窓口も設置しています。補償方針は、外部専門機関の調査結果を踏まえて決めるとしています。
登録と委任は別の手続き
牧野弁護士は募集開始後の取材で、登録は参加意思を示す段階であり、委任契約は後日案内する書類を提出した時点で成立すると説明しました。提訴するかどうかは、今後、会社の情報管理の状況を見て判断するとしています。
同弁護士は、登録者数が当初の想定を上回ったと述べました。また、提訴の目安となる人数は特に設けていないと説明しました。提訴前にパーク24側と交渉するかどうかは、取材時点では未定でした。
今回は、消費者団体が原告となる制度ではなく、個々の被害者による共同訴訟の形式が選ばれています。牧野弁護士は、消費者団体訴訟制度は今回の請求内容に合わないとして、個別提訴を選んだと話しました。
個人情報漏えいを巡る賠償の裁判例
個人情報漏えいの慰謝料は、情報の内容や流出の範囲、実害の有無、管理者側の対応などを踏まえて判断されてきました。氏名や住所などの基本情報が漏れ、実害が確認されていない事案では、裁判例で1人当たり1,000円から1万5,000円の認容額が記録されています。
ベネッセ事件では、差し戻し後の控訴審で1人当たり1,000円が認められました。複数の別の判決では、2,000円から4,000円が認められています。これらの金額には、慰謝料だけでなく郵便費用や弁護士費用を含むものもあります。
一方、エステティックサロンのアンケート回答が流出した事案では、基本的な識別情報より秘匿性が高い内容だったことや、情報が広く流布したことなどを踏まえ、慰謝料3万円と弁護士費用5,000円が認められました。これらの裁判例は個別の事情に基づいており、タイムズカーの参加希望者に認められる賠償額を示すものではありません。
免許証画像の流出と本人確認への備え
免許証画像には顔写真、氏名、住所、生年月日などが含まれます。本人確認に悪用される可能性への備えも論点です。よつば総合法律事務所は、画像が流出した場合の対応の一つとして、信用情報機関への本人申告を挙げています。CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターの各機関で手続きが案内されています。
本人申告では、名義を悪用されるおそれを登録し、クレジット会社などが審査時に参考にします。ただし、不正契約をすべて自動的に止めるものではなく、契約の可否は各社が判断します。信用情報機関ごとに加盟会社や情報の利用状況が異なります。
また、免許証の再交付では、12桁の免許証番号のうち上11桁は変わらず、末尾の再交付回数だけが変わると同事務所は説明しています。同事務所は、画像の流出だけでは再交付の要件を満たすとは限らないとして、都道府県の運転免許センターや警察署に申請できるか確認するよう案内しています。不審な契約や請求があった場合は、記録を残し、関係する会社の公式窓口に確認することも対策として挙げています。










