ティアフォーのロボティクスに関わる業務に使われる自動運転バス
出典: careers.tier4.jp

ティアフォーは、サウジアラビアで自動運転バスの実証を進める方針です。サウジアラビアは2030年までに公共交通の15%を自動運転化する目標を掲げています。ティアフォーは国内では、長野県塩尻市の公道で自動運転レベル4の運行許可を取得しています。

サウジは公共交通の15%を自動運転化する目標

サウジアラビアの国家運輸・物流戦略は、2030年までに公共交通の15%を自動運転化し、貨物車両の25%に自動運転技術を搭載する目標を掲げています。バスを含む公共交通と、貨物輸送の双方で自動運転技術の導入を進める方針です。

首都リヤドでは、公共交通当局の監督下で、自動運転タクシーの試験が行われています。停車地点は13カ所で、キング・ハーリド国際空港の第2・第5ターミナル、プリンセス・ヌーラ大学、Roshen Business Frontなどが含まれます。

制度面では、運輸・物流サービス省が2025年7月、自動運転車に対応する道路規則の更新を公表しました。更新内容には、機械が読み取れる道路標示や標識の基準、通信設備などの道路インフラ、スマート駐車システム、トラックやバスの自動化の促進が含まれます。

Autowareが周囲の認識から車両操作までを担う

ティアフォーが開発を主導する「Autoware」は、ソースコードを公開して共同開発する自動運転ソフトウェアです。開発を支えるThe Autoware Foundationのもとで、周囲の認識、自己位置の推定、走行経路の計画、車両制御といった機能を、役割ごとに分けた構成を採っています。

周囲の認識には、レーザーで距離を測るLiDAR、レーダー、カメラなどから集めたデータを使います。車両や自転車、歩行者を検出・認識して動きを追跡するほか、信号や道路標識も認識します。また、センサーデータと高精度地図を組み合わせて、車両の位置と向きを推定する仕組みです。

走行計画の機能は、認識した周囲の状況を使い、物体や障害物を避けながら目的のルートを走る経路を計算します。制御の機能は、その計画をハンドルの角度、ブレーキ、加速などの信号に変換します。さらに車両との接続部分が、各車両の特性に合わせた操作指令へ変換する仕組みです。

Autowareはバスやシャトルによる旅客輸送も対象にしています。公道のバス・シャトル向けには、あらかじめ定めたルートと停留所でレベル4の自動運転を支える機能を開発対象としています。レベル4は、特定の条件下で自動運転システムが動的運転タスクをすべて担う方式です。

ティアフォーは認識と走行判断にAIを組み込む

ティアフォーは2026年3月16日、データ中心のAIを使うレベル4向けソフトウェア群を、Autowareのリポジトリで公開しました。周囲の認識と走行判断の構成として、認識AIと経路生成AIを組み合わせる「ハイブリッド系」と、認識から走行軌跡の生成までを一体で学習する「エンドツーエンド系」を選択できます。

ハイブリッド系は、周囲の状況が時間とともにどう変わるかを確率的に捉え、別の機械学習モデルによる認識結果と組み合わせます。これにより、人間の運転行動を模倣した判断と走行軌跡を生成する設計です。エンドツーエンド系では、周囲の環境や走行状況を数値の集合として扱い、認知・判断・操作を統合的に学習します。

塩尻市では公道のレベル4運行許可を取得

国内の自動運転バスの取り組みでは、ティアフォーは塩尻市や交通事業者などとともに、道路交通法に基づく特定自動運行の許可を取得しました。2024年10月の道路運送車両法に基づく自動運転システムのレベル4認可に続き、市内の公道でそのシステムをレベル4で運行する許可を得たものです。

許可に基づく実証は、ティアフォー製の小型バス「Minibus」を使い、塩尻駅と塩尻市役所の間を運行する計画でした。実施期間は2025年1月23日から2月7日で、歩行者と一般車両が混在する一般公道を走行する予定でした。ティアフォーは、塩尻市でのレベル4運行の実績を積み上げ、将来的なサービスの実装を通じて、運転手不足など地域の交通課題の解決を目指しています。