
ナイキが、ソール全体を均一な厚さ40mmに設計した新作レーシングシューズ「エイペックス」を発表しました。前足部には左右それぞれエア ズーム ユニットを2基ずつ重ねて搭載し、日本では2027年1月に発売する予定です。
前足部とかかとの高低差をなくした40mmソール
エイペックスは、フルマラソンに挑む選手や、より速く走ることを目指すランナー向けのレーシングシューズです。前足部とかかとの高低差を「ドロップ」と呼びます。このモデルはドロップをなくし、ソール全体を40mmにそろえています。
前足部にはエア ズーム ユニットを2基重ねて配置しました。ナイキのランニングシューズで、同ユニットを左右それぞれ2基搭載するのは最多の構成です。
ナイキによると、2024年発売の「アルファフライ 3」のメンズ28cmと比べ、エネルギーリターンを最大40%高めたとしています。
フォームとプレートも組み合わせる構造
ミッドソールには、新素材の「ズームX LT」を採用しました。従来の「ズームX」と比べて最大17%軽量化し、エネルギーリターンを8%高めたとナイキは説明しています。
中央部が高い波状のカーボンファイバー製フライプレートも組み込まれています。ナイキは、プレートが前足部のエア ズーム ユニットに荷重を誘導し、前方への動きと安定性を支えるとしています。
エア ズーム ユニットは、加圧した空気の室を内部の張力繊維が支える構造です。着地でユニットが圧縮されると繊維がたわみ、衝撃を受け止めます。荷重が抜けると繊維が元の張力に戻り、その反発が次の蹴り出しにつながります。技術解説では、加圧室を覆う弾性膜が荷重で変形し、蓄えた弾性エネルギーを戻す仕組みと説明されています。
40mmはロード競技のソール厚上限
World Athletics(世界陸連)のシューズ規則では、ロードランニングと競歩のソール厚上限は40mmです。トラック競技は原則20mmで、トラック競歩は40mmとされています。
競技解説でも、ロードレース用シューズの上限は40mmとされ、世界陸連の公認大会などで規則が適用されると説明されています。その解説では、ロード競技の上限に加え、硬いプレートは1枚までとされています。
規則上の厚さは、靴の内部長に対する12%と75%の位置で測定します。測定用の標準サンプルはソール長270mmで、独立機関による検査には5%の許容差があります。エイペックスの40mmという設計値はロード競技の上限と一致しますが、規則への適合には厚さ以外の条件も関わります。
素材と発売時期
アッパーには軽量で通気性のある「フライニット X」を使い、アウトソールには「ゴアテック」と「ファスト ショット」を組み合わせています。ナイキは、このアウトソール構成によってトラクションと耐久性を実現したと説明しています。
価格は5万5000円で、日本では2027年1月から公式オンラインストアや直営店などで取り扱う予定です。
ナイキのアスリートで、元ハーフマラソン世界記録保持者のジェイコブ・キプリモは、プロトタイプを使ったレースについてコメントしました。リスボンではハーフマラソンの世界記録を更新し、ロンドンではマラソンの自己記録を更新したと述べています。









