
ボーイングの777Xは、従来の777-300ERより客室幅を4インチ広げ、大型窓や調光窓、天井・収納の選択肢を組み合わせた客室を採用します。座席配置やクラスごとの内装を航空会社が選びやすくする設計で、客室の快適性だけでなく、各社の仕様づくりに必要な作業や費用を抑える狙いがあります。
客室幅4インチを座席と通路の設計に生かす
777Xの客室幅は235インチ(597センチ)で、777-300ERの231インチ(587センチ)から4インチ広がります。胴体の外形断面は従来の777と同じで、側壁を薄くすることで客室内の幅を確保しました。
増えた幅は、航空会社が座席や通路に配分できます。ビジネスクラスでは、各席から通路へ直接出られる7席並びの配置も選択肢に含まれます。
エコノミークラスでは、10席並びで幅18インチの座席を設けた展示例がありました。従来の777で可能だった17.2インチより広い座席にするか、通路幅を確保するかなど、航空会社は客室内の配分を調整できます。
天井と収納をクラスごとに組み替える
777Xの内装は、照明、収納棚、天井、側壁、空調などを一体として設計する「スカイ・インテリア」の考え方を採用しています。航空会社は側壁や天井、頭上収納棚の形状や有無を選べます。
ビジネスクラスやファーストクラスでは、中央の頭上収納棚をなくして天井を高くする構成が選べます。収納棚の選択に合わせて天井の形状を選ぶ仕組みが用意され、個別設計に伴う時間や費用、技術作業を抑えることを目指しています。
異なる客室クラスに別々の天井や収納の仕様を設定することもできます。照明や内装のつながりを保ちながらクラスごとの違いをつけられるため、同じ機体の中でも複数の客室デザインを組み合わせられます。
大型窓と調光機能で採光を変える
777Xの窓は1枚あたり162平方インチで、従来の777の140平方インチより16%大きくなります。胴体上部寄りに配置され、客室中央の座席からも外を見やすくする設計です。
窓には電気で濃さを変える調光機能を選べます。窓ガラスの間にあるゲルに電気を流して暗くする方式で、航空会社は通常の機械式シェードを採用することもできます。
777Xの客室には、床から天井までの距離を示す客室高度が6,000フィートとなる与圧設定や、湿度を高める環境も盛り込まれています。窓や照明、収納とあわせ、客室全体をまとめて設計する構成です。
客室設計の選択肢と就航をめぐる状況
内装の選択肢は客室の見た目にとどまらず、航空会社が座席数や収納、クラスの構成を決める際の幅にも関わります。777Xの2クラス配置は仕様により375〜450席とされ、機体ごとの構成に応じて座席数が変わります。
一方、777Xの客室設計が実際に旅客機で使われるには、機体の認証と納入が必要です。初期製造の777-9は認証基準に適合するため大幅な変更が必要とされ、エミレーツとルフトハンザはそれらの機体をめぐって交渉しています。
ボーイングのエンジニアによるストライキは、4年間の賃金契約をめぐる投票で回避されました。ボーイングのケリー・オートバーグCEOは、ストライキが起きれば777Xの認証作業が停止する可能性があったと述べています。










