
B-52Hを飛ばす5人の乗員
米空軍で運用されているB-52Hストラトフォートレスの標準乗員は5人です。機長、副操縦士、レーダー航法士、航法士、電子戦担当士官で構成されます。2人の操縦士が飛行を担い、ほかの3人が航法、兵器運用、電子戦などを分担します。
乗員は上下2層に分かれて配置され、機長、副操縦士、電子戦担当士官は上部、レーダー航法士と航法士は下部で任務にあたります。航法士らが担ってきた2つの下部席は、現在では兵器システム士官(WSO)と呼ばれることもあります。
機長は機体、乗員、任務に責任を持ち、副操縦士とともに操縦します。副操縦士は空中給油なども担当します。レーダー航法士は目標設定や兵器の投下を担当し、航法士は飛行経路を管理します。電子戦担当士官は脅威を監視し、防御装置や妨害装置を扱います。
乗員の配置と機体の構成
B-52Hには標準乗員5人に対して射出座席が6基あります。初期のB-52構想では尾部銃手を含む6人が搭乗し、尾部銃手の役割がなくなった後、現在の5人編成になりました。乗員数には、機体の設計と担当業務の変化が反映されています。
B-52は最大7万ポンド(約3万1,500キログラム)の搭載量を持ち、空中給油なしで8,800マイル(約1万4,080キロメートル)を超える戦闘行動半径があります。運用時には、操縦、航法、目標設定、兵器運用、電子戦の担当者が連携します。
通常の会話が難しいほどエンジン音が大きく、乗員はヘッドセットと機内通話装置を使って連絡します。長時間の任務に備え、操縦席の後ろには簡易ベッドと食事を温める小型オーブンがあります。5人の乗員は、こうした設備のある限られた機内空間で役割を分担します。
4人運用に向けた乗員訓練
米空軍は2022年、バarksデール空軍基地の正式訓練部隊で、4人乗員での飛行を想定した新カリキュラムを始めました。当時、機体はまだ4人編成に改修されていませんでしたが、訓練生は複数の区画を移りながら各席の資格を得る訓練を受けました。
訓練生は、航法、兵器システム、電子戦の各区画を担当する教官のもとで、複数の役割を習得します。乗員の減少に備え、残る乗員がより広い業務を担うための準備です。2022年時点では、電子戦担当士官と兵器システム士官の席は別々に残っていました。
2024年の訓練飛行では、5人の乗員が模擬爆撃を実施し、操縦訓練や空中給油の練習にも取り組みました。訓練課程には座学と飛行が含まれ、修了まで約9カ月かかるとされています。乗員を減らす計画には、席数の変更だけでなく、訓練で複数の担当を習得する体制も関わっています。
他の米空軍爆撃機との違い
B-52の乗員が5人なのに対し、B-1Bランサーは4人、B-2スピリットは操縦士と任務指揮官の2人で運用されます。B-21レイダーも2人乗員を予定しています。B-52では操縦、航法、兵器運用、電子戦の担当が複数の席に分かれている一方、後続機では乗員数が少なくなっています。
B-52の4人運用では、電子戦担当士官の業務をWSOの役割に組み込む計画です。WSOは攻撃と電子戦の両方の情報を表示するコンピューターを使い、指定された席で一方の役割を担う方式から、複数の任務を扱う形へ移ります。2022年の訓練では、訓練生が複数区画の業務を学び、将来の4人編成に備えていました。
一方、各機の乗員数だけで任務の違いが決まるわけではありません。B-52は2人の操縦士と、航法、兵器運用、電子戦を分担する乗員で飛行します。










