
直径600〜1,500キロと推定される新天体
米国のベラ・C・ルービン天文台が、太陽系外縁部にある天体「2026 ED138」を発見しました。直径は600〜1,500キロと推定され、準惑星候補に分類されています。大きさと準惑星の条件は、今後の追加観測で確かめられる見込みです。
ED138は、海王星より遠くを公転する「太陽系外縁天体」の一つです。太陽からの平均距離は約42.95天文単位で、1天文単位は地球と太陽の平均距離を指します。軌道は冥王星の公転距離と重なる範囲にあります。
直径の推定幅が大きいのは、明るさだけでは天体の大きさを特定できないためです。反射率の高い小さな天体と、暗い表面を持つ大きな天体は、同程度の明るさに見える場合があります。赤外線での観測などを通じて、表面の反射率と実際の大きさを絞り込む必要があります。
2016年の画像から軌道を追跡
ルービン天文台の望遠鏡は、2026年3月4日から7月11日までの20夜にED138を30回観測しました。研究チームはさらに、別の観測装置「ダークエネルギーカメラ」が過去に撮影した画像を調べ、2016年までさかのぼって同じ天体を特定しました。
小惑星センターの観測記録には、2016年から2026年までの74件の観測が登録されています。2016年の画像に写っていた天体は、当時、その動きが認識されていませんでした。後年の観測と照合して位置の変化を追うことで、長期の軌道を計算できるだけの記録が得られました。
ED138は天の川の星が密集する方向にあり、背景の星々に紛れて見つけにくい位置にありました。また、太陽系の惑星が公転する面に対して軌道が約24.5度傾いています。広い範囲の空を継続的に撮影し、星を背景に移動する天体を探す観測が発見につながりました。
281年かけて太陽を一周
小惑星センターが算出した軌道によると、ED138は太陽を約281年で一周します。太陽に最も近づくときの距離は約36.86天文単位、最も遠ざかるときは約49.04天文単位です。現在の軌道計算には、2016年から2026年にわたる観測が使われています。
冥王星の太陽からの距離は約29.6〜49.08天文単位で、ED138の軌道範囲と重なります。ED138の平均距離は冥王星より大きい一方、近日点では冥王星より太陽に近づきます。今回の発見は、冥王星の軌道より常に外側を回る天体が見つかったという意味ではありません。
遠方の天体は太陽光を弱く反射し、背景の星に対して位置が少しずつ変わります。さらに、外縁天体には軌道の傾きが大きいものもあり、探すべき空の範囲が広がります。
準惑星の認定には追加観測が必要
国際天文学連合(IAU)の定義では、準惑星は太陽を公転し、自身の重力でほぼ球形になり、公転軌道の近くから他の天体を一掃していない天体です。また、惑星の衛星ではないことも条件に含まれます。
ED138が太陽を公転することは、計算された軌道から分かっています。直径は600〜1,500キロと推定されており、自己重力でほぼ球形になっている可能性があります。外縁部にある候補天体が準惑星の形状条件を満たすかどうかが、判定の要点です。
赤外線を含む追加観測は、反射率と大きさをより正確に見積もり、準惑星に該当するかを判断する材料になります。認定されれば、IAUが認める準惑星の仲間に加わります。ルービン天文台は今後10年間、南半球の空を繰り返し撮影する計画で、観測チームは外縁部の新たな天体の発見と追跡を進めます。










