Soldiers stand in formation with rifles
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首都圏と地方で異なる戦争の影響

ウクライナ侵攻から3年を迎えたロシアでは、戦争の影響に地域差があります。モスクワでは動員などの影響を比較的受けにくい一方、国境に接するベルゴロドやシベリアのブリヤートでは、兵士の死傷や地域経済への影響が生じています。

地方出身者は、ウクライナで戦うロシア兵の多数を占めます。地域の賃金を大幅に上回る軍務の給与や、戦死・負傷に対する給付は、貧しい地域の住民にとって大きな収入源となっています。

政府の軍事支出は、兵士への給与や給付に加え、兵器・装備の発注を通じても地方へ流れています。調査会社Macro-Advisoryのクリス・ウィーファー氏は、戦費が全国的な消費拡大を生んだ一方、和平が成立すれば所得が大きく下がる可能性を指摘しました。

契約兵の募集金は地域で競い合う

2024年11月、ニジニ・ノブゴロド州は契約兵への一時金を300万ルーブルに引き上げました。同州とベルゴロド州の募集金額は、各地域の最高水準となりました。BBCとMediazonaの集計では、人口約300万人のニジニ・ノブゴロド州で、戦争による死者が1,300人を超えていました。

ロシア国防省との契約兵の月給は約20万ルーブルで、ロシアの平均給与の約2.4倍です。地方政府は別途、契約時の一時金を支給しています。モスクワ市は190万ルーブル、チェリャビンスク州は約70万5,000ルーブル、ヤマロ・ネネツ自治管区は110万ルーブルを提示していました。

地域間の募集競争によって、志願者が居住地とは別の場所で契約することもあります。タタールスタン共和国は契約時に最大100万ルーブルを支給し、仲介者にも契約成立1件につき最大10万ルーブルを支払う制度を設けました。研究者マリア・ビュシュコワ氏は、より貧しい地域の住民が、近隣の高額な募集金を求めて移動する場合があると述べています。

戦死者の人口比は地域で大きく開く

ブリヤート共和国では、侵攻開始後20日間に確認されたロシア側戦死者の4.1%が同地域の出身者でした。一方、ブリヤート出身者はロシアの労働年齢の男性人口の0.6%を占めます。民族別では、ブリヤート人が確認された戦死者の2.5%を占め、ロシア人口に占める割合は0.35%でした。

ブリヤートの戦死者負担を民族性だけで説明することはできません。ブリヤートの住民と兵士の多くは民族的にロシア人です。また、同地域には軍事基地が多く、若者の雇用機会は限られています。研究者のビュシュコワ氏は、部隊の配置や任務が地域差に関わったと分析しています。

BBCロシア語サービスとMediazonaが公開情報を基に算出した男性1万人当たりの確認済み戦死者数では、モスクワは5人でした。ブリヤートはその27倍、トゥバ共和国は33倍に上ります。同じ集計による地域別の確認済み戦死者数は、モスクワの2,437人に対し、バシコルトスタン共和国は9,331人、タタールスタン共和国は7,585人でした。

暮らしと地域経済にも変化

ベルゴロド州は砲撃を繰り返し受け、隣接するクルスク州の一部はウクライナ側に占拠されました。サンクトペテルブルクからクラスノダールに至る西部地域でも、エネルギー施設や軍事施設が攻撃を受けています。

制裁と欧米企業の撤退を受け、ロシア国内では国内企業やアジア企業の存在感が増し、中国車も目立つようになりました。欧州からの旅行者が減る一方、モスクワやサンクトペテルブルクにはアラブ諸国や中国から旅行者が訪れ、ロシアの航空会社は中東・アジア路線を広げています。

戦争の影響は消費や旅行にとどまりません。政府は戦争への反対を表明した人々を取り締まり、学校では愛国教育を強めています。地方への軍事支出が所得や消費を押し上げる一方、戦死者や負傷者、地域への攻撃、教育など公共サービスへの予算圧迫も続いています。