刃を往復させて凹面の先端を削る
Chronova Engineeringは、鉛筆の先端を内側にくぼんだ円すい形に削る手動式シャープナーを製作しました。一般的な鉛筆削りのように鉛筆を回すのではなく、ナイフで削る動きを機械で再現する設計です。
刃は曲率を付けた2本のガイドに沿って動き、クランクにつながるカム軸が往復運動を生みます。この方式で狙った形の切り口を作れましたが、初期の試作には鉛筆を回転させる仕組みがありませんでした。
そこで製作者は、刃の動きを妨げずに鉛筆を少しずつ回す機構を追加しました。構想の基になったのはジュネーブ機構ですが、入力軸と出力軸を90度ずらした独自の配置にしています。
ピニオンが鉛筆を少しずつ回す
クランクの回転は、インデックスピニオンからランタンピニオンへ伝わります。インデックスピニオンが1回転するたびにランタンピニオンを2歯送る構成です。
ランタンピニオンの歯数を奇数にすると、出力側で取れる位置の数は、歯数が偶数の場合に比べて2倍になります。ピニオン同士がかみ合わない回転区間では、ランタンピニオンはその場に固定されます。
鉛筆はコレットチャックで保持され、ランタンピニオンの出力につながるねじに取り付けられています。クランクを回すたびに鉛筆がわずかに前進し、回転する鉛筆を刃が削る仕組みです。
ジュネーブ機構が回転と停止を切り替える
ジュネーブ機構の基本形では、連続回転する駆動側のピンが従動側の溝に順番に入り、従動側を断続的に回します。駆動側の円弧状の突起が従動側のフランジにかみ合う区間は、従動側が回らないよう保持します。
この仕組みでは、回転する入力を、動く区間と止まる区間のある出力へ変換できます。従動軸が停止している間も駆動側の突起がフランジを押さえるため、出力側の位置を保てます。
今回のシャープナーは、溝にピンを差し込む基本形そのものではなく、インデックスピニオンとランタンピニオンを組み合わせています。出力を断続的に送り、停止中は固定するという機構の考え方を、鉛筆の回転に応用した構成です。
試作機は削れるが、使用には手間がかかる
本体には削りくずを受ける部分とハンドルも備わっています。鉛筆の送りと回転をクランクに連動させ、手で刃を動かさずに先端を削れるようにしました。
試作機は狙った形の先端を削れますが、削り終えるまでに時間がかかり、操作にも手間がかかります。製作者自身も、実用的な鉛筆削りにはなっていないとしています。











