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出典: UK Biobank

孤立と孤独の双方が生物学的年齢と関連

社会的に孤立している人や孤独を感じる人は、実年齢に比べて生物学的年齢が高く、死亡リスクも高い傾向があると研究で報告されました。英国の成人約31万人を分析した結果、社会的孤立と孤独感の両方が強い人で、実年齢と生物学的年齢の差が最も大きくなりました。

生物学的年齢は、血液中の指標などから推定する身体の生理的な状態です。研究チームは、日常的な血液指標から生理的年齢を推定するPhenoAgeを用い、実年齢との差を「生物学的年齢の加速」として評価しました。

分析対象はUK Biobankに登録された309,746人で、開始時の平均年齢は約56歳でした。参加者の健康状態と生存状況を中央値14.4年間追跡し、社会的孤立と孤独感は別々の質問尺度で測定しました。

差は平均で数カ月、遺伝的リスクとは加算

年齢や生活習慣、既往歴などを考慮した分析では、孤立尺度が1点高いごとに生物学的年齢の加速は0.17年、孤独感尺度が1点高いごとに0.15年大きくなりました。最も孤立した人は孤立が最も少ない人より0.33年、孤独と判定された人はそうでない人より0.24年、生物学的年齢の差が大きくなりました。

これらは集団で見た平均的な差で、研究者らは個人の寿命が数カ月縮むという意味ではないと説明しています。孤立と孤独がともに強い場合は関連が重なり、遺伝的に生物学的年齢が高くなりやすい人では、社会的なリスクも加わって差が大きくなりました。

遺伝的リスクと孤立・孤独感の間に、互いの影響を強める統計的な交互作用は確認されませんでした。一方、遺伝的リスクが高く孤立も強い人では、低リスクで孤立が少ない人に比べて生物学的年齢が約1.7年高く、遺伝的リスクが高く孤独な人では約1.85年高くなりました。

死亡リスクとの関連と因果関係の限界

追跡期間中、孤立尺度が1点高いごとに全死因死亡リスクは13.9%、孤独感尺度が1点高いごとに8.9%高くなりました。冠動脈疾患とがんによる死亡率も、孤立と孤独感の双方に関連していました。

研究チームは、健康状態の悪化によって人付き合いが減る可能性も考慮し、遺伝的な傾向を使うメンデルランダム化分析も行いました。孤独感への遺伝的な傾向は生物学的年齢の加速と正の関連を示しました。一方、ジムやスポーツクラブ、宗教団体に定期的に参加する遺伝的傾向は、加速が小さいことと関連しました。

ただし、観察研究で見られた関連だけから、孤立や孤独が老化を進めるとは断定できません。死亡との関連のうち、生物学的年齢の加速を介したと統計的に推定された割合は、孤立で約5.2%、孤独感で約7.2%でした。

介入研究が扱うのは孤独感や生活の質

既存の介入研究をまとめたレビューでは、心血管疾患のある高齢者を対象とした12本の論文、11研究が検討され、介入を受けた参加者は計651人でした。グループ活動、とくに運動と教育を組み合わせたプログラムが多く、社会的支援や心理的な健康、生活の質の改善が報告されています。

4本の論文で社会的支援の統計的に有意な改善が報告され、心理面の改善は4本、生活の質の改善は評価した5本のうち4本で報告されました。対面のグループ介入では、孤独感の低下や心理的な健康、生活の質の改善が見られました。

別のレビュー統合では、ランダム化比較試験に基づく29件の系統的レビューが対象となりました。統合結果では、社会的孤立には社会的な介入、孤独感には心理的な介入が有望で、効果は小から中程度とされました。ただし、研究間のばらつきやレビューの質の違いがあり、デジタル介入などでは効果が一貫しない結果も報告されています。

介入研究で評価されたのは、孤立や孤独感、社会的支援、心理的な健康、生活の質です。生物学的年齢の変化は、これらとは別の評価項目です。