
第III相試験で毛髪の改善を確認
製薬会社Veradermicsは、男性型脱毛症向けに開発中の経口薬「VDPHL01」の第III相試験で、プラセボ群を上回る毛髪の改善が見られたと報告しました。承認されれば、男性型脱毛症向けの非ホルモン性経口薬として初めてとなる可能性があります。
試験では、軽度から中等度の男性型脱毛症がある約500人を、プラセボ群とVDPHL01を1日1回または2回服用する群に分け、6カ月間比較しました。毛髪の被覆が改善または大きく改善したと評価された割合は、1日1回群で約55%、1日2回群で68%でした。プラセボ群では15%でした。
細く柔らかい産毛を除いた毛髪の本数も、両方の服用群でプラセボ群より大きく増えました。試験では重い有害事象や薬に関連する心臓の有害事象は報告されず、体の別の部分に毛が過剰に生える多毛症は服用者の最大9%に見られました。有害事象を理由に服用を中止した人は、各服用群で1%未満でした。
既存薬を改良した経口製剤
VDPHL01は、脱毛症に使われてきたミノキシジルをもとにした薬です。ミノキシジルは一般に頭皮へ塗る外用薬として販売されており、男性向けの市販製品には、頭頂部に1回1ミリリットルを1日2回塗るものがあります。
ミノキシジルの錠剤は、血管を広げて血圧を下げる薬として使われています。血管の抵抗が下がると、心拍数や心拍出量が増えたり、塩分や水分が体内にたまりやすくなったりすることがあります。
VeradermicsはVDPHL01を、薬が体内で徐々に放出されるよう設計した経口製剤と説明しています。同社は、脱毛を抑えるための薬の供給を保ちながら、心血管系への影響を抑えられる濃度にすることを目指しています。
ミノキシジル錠に記載された心血管系のリスク
ミノキシジル錠の使用上の注意には、心膜に液体がたまる心嚢液貯留や狭心症の悪化など、重い副作用の可能性が記載されています。錠剤は、利尿薬とほかの降圧薬を使っても十分に管理できない高血圧の患者に限って使用する薬です。
ミノキシジルは血管を広げて血圧を下げる一方、反射的な心拍数や心拍出量の増加、塩分・水分の貯留を招くことがあります。頻脈や心臓への負荷を抑えるため通常はベータ遮断薬を併用し、体液貯留を防ぐために利尿薬も併用します。
今回のVDPHL01試験では、重い有害事象と薬に関連する心臓の有害事象は確認されませんでした。一方、既存のミノキシジル錠の使用上の注意には心血管系のリスクが記載されています。
承認審査と女性対象の試験
VDPHL01は、今年4月に公表された約500人規模の複合第II/III相試験に続き、今回の第III相試験でも良好な結果を示しました。ただし、米食品医薬品局(FDA)の承認はまだ得ていません。
Veradermicsは女性の男性型脱毛症を対象とする第III相試験も進めており、結果は来年前半に出る見込みです。今回の試験は男性を対象としており、女性を対象にした試験結果とは別に評価されます。
同社は、月額約90ドル(約1万4,000円)の育毛サプリメントNutrafolを、VDPHL01の価格を検討する際の目安として挙げています。











