The SwarmBot 5 is fitted with an 18-metre Hayes spray boom, WEED-IT optical spot-spray cameras and a 3,000-litre spray tank. Coggan reports a working capacity of around 13 hectares per hour.
出典: Future Farming

5年間で各約7,500時間を稼働

豪州の農家トム・コグラン氏は、26,300ヘクタールの混合農業経営で、SwarmFarmの自律走行ロボット「SwarmBot 5」2台を5年間運用してきました。各機は約7,500時間稼働し、主にWEED-ITを使った散布を担っています。

2台は休閑地と作物のある圃場で散布作業を行い、スタッフが別の仕事に取り組めるようにしています。コグラン氏は、反復作業を安定して任せられること、薬剤使用量を抑えられること、人員をほかの業務に回せることを利点に挙げました。

機体には幅18メートルの散布ブーム、光学式スポット散布システムWEED-ITのカメラ、容量3,000リットルの薬液タンクを搭載しています。作業速度は時速約9.5キロで、コグラン氏によると作業能力は毎時約13ヘクタールです。

WEED-ITは植物を検知してノズルを作動

WEED-ITは、散布ブームに配置したセンサーで進行方向の地面を読み取り、生きた植物と土壌や枯れた植物の反射光の違いから雑草を検知します。検知位置に対応するノズルが作動し、植物のある場所を狙って薬剤を散布します。

WEED-ITのセンサーはブーム上に1メートル間隔で配置され、最新型Quadroではセンサーの検知幅が25センチメートルと説明されています。検知した植物の前後に散布する距離や感度も調整でき、感度を上げると小さな雑草を検知しやすくなる一方、誤検知も増えるとされています。

モンタナ州の研究チームは、別のカメラ式システム「SmartStriker X」を使い、休閑地で全面散布とスポット散布を比較しました。試験ではスポット散布による除草剤使用量の削減は71〜92%で、雑草の抑制効果は全面散布と同程度でした。この結果はSwarmBot 5上のWEED-ITを測定したものではありませんが、雑草の位置に合わせて散布する方式の比較例になります。

人員を振り向ける一方、圃場準備が必要

コグラン氏は、SwarmBot 5の運用費が従来型の散布機より約70%低いと見積もっています。これは5年間の本人の経験に基づく評価で、厳密な費用比較として検証された数字ではありません。

機体ごとの報告値は、整備1回あたり約1,000豪ドル、ソフトウェア利用料が年12,500豪ドル、燃料消費が毎時4〜7リットルです。作業に必要な人手は1日あたり約1時間とされています。

自律運転でも人の作業がなくなるわけではありません。導入時には圃場の地図作成や作業の設定・スケジュールが必要で、季節の変化や悪天候で圃場の状態が変わった場合は、作業前の準備が課題になります。定期整備は500稼働時間ごとで、毎日およそ14カ所にグリスを塗る必要があります。

大型散布機とは作業条件を分けて比較

毎時約13ヘクタールという能力は、オーストラリアの大型自走式散布機が掲げる最大作業能力より小さい水準です。2026年の購入ガイドでは、Hardi Rubiconは幅48.5メートルのブームと時速最大35キロで、毎時最大170ヘクタールの作業能力を示しています。

同ガイドによると、Rubiconの薬液タンクは9,000リットルで、幅広い圃場を短時間で散布する用途を想定した仕様です。SwarmBot 5の13ヘクタール毎時という値は、コグラン氏の農場での報告値であり、最大能力として示された大型機の数値とは測定条件が異なります。

2016年の豪州農家への取材では、自走式散布機を使う農家の一人が、通常の作業日に約500ヘクタール、低い散布水量なら最大900ヘクタールに達する例を聞いたと話しています。こちらは日単位の作業量であり、作業時間や圃場条件が示されていないため、SwarmBot 5の毎時能力と直接比べることはできません。コグラン氏の評価では、ロボットの利点は大きな面積を一気に処理する能力だけでなく、散布作業を任せて人員を再配置できる点にもあります。