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豪連邦裁判所はAppleに対し、iOSで代替アプリストアや外部決済を利用できるようにする措置を命じました。履行期限は2027年3月1日で、豪州の利用者と開発者に関わるApp Storeの配布・決済ルールが変わります。判決は、Epic Gamesとの訴訟で競争法違反への救済策を定めたものです。

豪州のiOSで代替ストアと決済を認める

Appleは、利用者が代替アプリストアを見つけ、アプリをダウンロード・更新できるようにする必要があります。開発者や利用者に対し、代替ストアへのアクセスを妨げる料金や条件を課すことも禁じられました。2〜11号の命令は、豪州のApp Store storefrontと、アカウントの国・地域が豪州に設定された利用者を対象としています。

アプリ内購入では、Appleの決済システム以外の決済方法も利用可能にする必要があります。Appleは、外部の支払い方法への案内を制限したり、App Storeのアプリに自社のアプリ内購入の利用を必須としたりできません。代替ストアや別の配布経路を使うためのツールやAPIについても、App Store経由より不利な料金・条件を課すことはできません。

利用者が外部決済を選ぶ場合や、App Store外からアプリをインストールする場合に、手続き上の摩擦を設けないことも命令に含まれます。セキュリティ要件は、あらかじめ定められたリスクに見合う範囲に限られます。

Epicのアプリ再提出と履行期限

Appleは、現在のガイドラインに従うことを条件に、Epicが「Fortnite」などのアプリをApp Storeへ再提出することを認める必要があります。裁判所の救済命令は、代替ストアの導入と決済方法の選択肢を含め、Appleの配布・決済ルールに具体的な変更を求めています。

命令の履行期限は2027年3月1日です。Appleが2027年2月1日の時点で準備できていない場合、延長が必要な理由を同月15日までに提出できます。

判決はAppleに対し、Epicの訴訟費用の85%を負担するよう命じました。また、違反認定では、AppleがiOSアプリの配布とアプリ内決済の市場で相当な市場支配力を持ち、競争を実質的に弱める行為をしたとされています。

EUのDMA対応と異なる制度上の枠組み

欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)は、指定されたゲートキーパーに対し、開発者がApp Store外の購入方法を利用者に案内し、そちらで購入できるようにする義務を課しています。欧州委員会は2025年、Appleの案内制限がこの義務に適合しないと判断し、5億ユーロ(約890億円)の制裁金を科しました。豪州の命令にも外部決済への案内制限を禁じる内容があり、アプリ内購入の選択肢を広げる点でEUの取り組みと重なります。

EUでは、App Store以外の代替マーケットプレイスや開発者ウェブサイトから、iOS・iPadOSアプリを配布できます。Appleは、EU向けアプリについて代替決済をアプリ内で提示したり、外部サイトへの購入案内を設けたりする選択肢も認めています。豪州の判決も代替ストアと代替決済を求めますが、命令の対象は豪州の利用者と豪州のApp Store storefrontに定められています。

EUでのAppleの手数料体系は、代替配布や決済の選択肢とともに設計されています。2026年10月から、代替マーケットプレイスやウェブ経由で配布するアプリのデジタル取引には、5%のCore Technology Commission(技術利用に関する手数料)が適用されます。EU向けApp Storeアプリでは、Appleのアプリ内購入を使う場合の手数料は原則26%、代替決済を使う場合は20%で、対象プログラムなどにはそれぞれ低い料率が設定されています。

EUでは手数料と安全対策も併存

EUでは、App StoreアプリがAppleのアプリ内購入と代替決済を併用できます。開発者は利用者に提供する決済方法を選び、その選択肢を12カ月維持する必要があります。この仕組みは、豪州の命令が求める代替決済の容認と共通点があります。

EUでApp Store外から配布するiOS・iPadOSアプリは、Appleの公証(notarization)を受けます。これは配布経路にかかわらず、セキュリティやプライバシー、基本的な機能などを確認する審査です。豪州の命令も代替配布に対するセキュリティ要件を認めていますが、その範囲は定義済みのリスクに比例するものとされています。

EUでは代替決済や外部購入案内を使う子ども向けアプリに、保護者の関与を求める措置もあります。たとえばAppleのEU向け条件では、13歳未満の利用者に対する外部サイトへの購入案内を認めず、年齢に応じて保護者確認を求めています。