Bottles of wine produced by Marchesi Antinori are on display
出典: BBC News World

トスカーナの保管施設から約3万本

イタリアのワイナリー、マルケージ・アンティノリは、トスカーナ州の保管施設からワイン約3万本が盗まれたと明らかにしました。盗まれた品の価値は約500万ユーロ(約420万ポンド)と報じられています。

盗難は、同社が海外顧客向けの出荷を準備していた土曜日に起きました。従業員が施設に到着した月曜朝に発覚し、逮捕者は出ていません。

報道によると、覆面をした少なくとも7人が警報を解除し、監視カメラを停止させたうえで、社内のフォークリフトを使ってワインを積み込みました。大型トラック2台が使われたとされています。

盗まれたのはトスカーナの赤ワイン

盗難品には、ティニャネッロ、ソライア、グアド・アル・タッソが含まれます。これらはマルケージ・アンティノリのワインで、報道によると、通常価格は1本150〜500ユーロです。

同社は、銘柄の選ばれ方から、犯人がワインに詳しく、内部事情も知っていた可能性があるとみています。

グアド・アル・タッソは1990年に初めて造られました。マルケージ・アンティノリによると、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルローを使い、ブドウの割合は収穫年によって変わります。

グアド・アル・タッソの産地と醸造

このワインのブドウは、イタリア西岸のボルゲリにある畑で栽培されています。ワイナリーの地所はフィレンツェの南西約100キロに位置し、ブドウ畑は320ヘクタールに広がります。

マルケージ・アンティノリは、ブドウを区画や品種ごとに分けて収穫し、別々に発酵させています。2023年の醸造では、温度管理したステンレスタンクで18〜25日間発酵・浸漬させ、選んだ畑のワインを合わせた後、新しいフレンチオーク樽で熟成させました。

同社によると、ボルゲリの畑の土壌は砂質粘土からシルト質粘土まで幅があり、細かな砂利を含む場所もあります。近くの海から吹く風は、夏の暑さや冬の寒さを和らげるとされています。

会社が追跡に期待、捜査は継続

マルケージ・アンティノリの最高経営責任者レンツォ・コッタレラ氏は、イタリアでこれほど規模と価値の大きい盗難は初めてだと述べました。盗まれたワインの追跡に期待を示し、トラックが2台使われたことや、トスカーナの道路にカメラが多いことにも触れています。

同社は、盗まれたワインを世界各地で売りさばくのは容易ではないとの見方も示しました。

マルケージ・アンティノリは1385年創業で、170カ国に輸出しています。売上高は前年に2億6,300万ユーロでした。イタリアでは今年、北部ピエモンテ州でも数十万ユーロ相当のボトルが盗まれた事件が2件報じられています。