群馬県が選抜したムキタケ「群馬GPS-31号」が、ムキタケとして日本で初めて品種登録されました。県林業試験場が30年以上かけて収集した菌株から選ばれ、県は地域の特産品としての活用を見込んでいます。
30年以上の収集から選ばれた新品種
ムキタケは、秋にブナやミズナラなどの広葉樹に発生するきのこです。傘は直径10センチほどの半円形で、ゼラチン質のなめらかな食感から「山のフカヒレ」とも呼ばれます。
群馬県林業試験場は、30年以上かけて集めた135株から「群馬GPS-31号」を選抜しました。県は2019年から2023年にかけて品種開発と登録に取り組み、2024年に登録を出願しています。
登録前から、メーカーが販売するムキタケの種菌もあります。群馬GPS-31号は、ほかのムキタケより栽培日数が短く、収量が多いほか、形が整い、うま味成分が豊富で味が濃い品種です。
品種登録で審査される特性
品種登録には、出願品種が既に知られた品種と特性で明確に区別できること、同じ段階で繁殖した個体の特性が十分に類似していること、繰り返し繁殖しても特性が変わらないことが求められます。これらは区別性・均一性・安定性と呼ばれます。
審査では、農林水産大臣が必要な植物体や資料の提出を求め、現地調査や栽培試験を行うことができます。審査に用いる「重要な形質」は、品種間の違いを判定するために定められた特性です。
品種名にも要件があります。既存の品種名や登録商標との関係で問題がある名称や、品種の識別に混同を生じるおそれがある名称などは登録できません。また、国内で出願日の1年以上前に業として譲渡されていた品種も、原則として登録の対象になりません。
登録で生じる育成者権
品種登録によって育成者権が発生し、登録日から25年間存続します。育成者権者は、登録品種と特性で明確に区別できない品種を業として利用する権利を専有します。
対象となる利用には、種苗の生産や譲渡、輸出入などが含まれます。一定の場合には、登録品種の種苗から得られる収穫物や、その収穫物を使った加工品の生産・譲渡なども権利の対象になります。
育成者権者は、利用を許諾して対価を受け取ることもできます。一方、新品種の育成や試験・研究のために利用する場合、育成者権の効力は及びません。
生産に向けて続く栽培研究
群馬県林業試験場は、生産者がよりよいムキタケを栽培できるよう、栽培技術の確立に向けて研究しています。今後も試験研究を進め、栽培マニュアルを作成する方針です。
県林業試験場の過去の選抜試験では、おが粉培地を使って菌株を栽培し、収穫までの日数や収量、子実体の形状と色を調べました。市販種菌と比べて収穫までの日数が短く、収量が多い有望株も確認されました。次の選抜では、味や栽培の容易さも考慮する計画でした。
県は、県内に生産を希望する人がいることや、全国の生産量が少なく高値で取引される可能性を踏まえ、特産品としての需要を見込んでいます。









