
オクラホマ州地下に埋もれたエイムズ衝突構造は、従来の推定より約1億年若い約3億7000万年前に形成されたと分かりました。新たな年代により、この構造は約4億6700万年前の「オルドビス紀の隕石イベント」から切り離され、海洋生物の大量絶滅が起きた時期に位置づけられます。ただし、研究者たちは衝突が絶滅を引き起こしたとは結論づけていません。
エイムズ衝突構造の年代を約1億年修正
エイムズ衝突構造は、米オクラホマ州北部の町エイムズの地下にある衝突跡です。幅は約16キロメートルで、米国では4番目に大きな衝突構造とされています。
これまでは、約4億6700万年前に大規模な衝突が相次いだオルドビス紀の隕石イベントに属すると考えられていました。新たな分析では、形成時期は約3億7000万年前とされ、従来の年代より約9700万年後に修正されました。
この見直しにより、北米で同じ時期に起きた衝突の分布も変わります。エイムズはオルドビス紀の衝突群から外れ、後期デボン紀に起きた出来事として扱われます。
ジルコンの年代と衝撃の痕跡を調査
年代の特定には、衝突の影響を受けた岩石に含まれるジルコン結晶が使われました。ジルコンは高温や強い圧力を受けた痕跡を内部に残す鉱物で、結晶の変化から古い地質現象を調べられます。
研究チームはジルコンのウラン・鉛年代測定を行い、衝突が起きた時期を約3億7000万年前としました。さらに、カソードルミネッセンスと電子後方散乱回折による観察で、結晶が衝撃を受けたときに生じる再結晶の特徴を調べました。
こうした観察により、測定対象のジルコンが衝突後に形成された変化を記録しているかを確かめました。以前の年代推定は、岩石中のコノドントという古代生物の歯の化石に基づいていましたが、歯には衝突より何百万年も前のものが混じっていた可能性があります。
大量絶滅と重なる時期に形成
約3億7000万年前という年代は、フラスニアン・ファメニアン大量絶滅の時期に近接します。この絶滅は約3億7200万年前に始まり、数百万年続いたとされ、海洋生物の最大半数が絶滅した可能性があります。
この時期の海では酸素が失われていました。大量絶滅の主な引き金は、火山活動の活発化に伴う地球規模の寒冷化だった可能性が高いとされています。
エイムズへの衝突が大量絶滅を起こしたわけではありません。一方、衝突によって大量のちりが大気中に放出され、地域的な冷却に加わった可能性は指摘されています。年代の一致だけでは衝突と絶滅の因果関係は確定せず、地球規模の環境変化を調べるには各現象の時期を正確に定める必要があります。
地下に埋もれた衝突跡
衝突当時、現在のオクラホマにあたる地域は浅い海に覆われていました。時速約11万キロメートルを超える速度で天体が衝突し、できたくぼみは海底の堆積物に埋まりました。
そのため、地表にクレーターの形は見えません。構造は1991年、石油の試掘中に偶然発見され、その後は地中レーダーなどを使って大きさや形が調べられています。
今回の年代修正では、化石が示す岩石の年代と衝突そのものが起きた年代を区別しています。研究チームは、ほかの北米の衝突跡でも年代測定を進め、古代の衝突史をより正確に整理することに期待を示しています。










