
スティーヴン・キングの小説『キャリー』を原作とする全8話のドラマが、2026年10月7日に動画配信サービスのPrime Videoで配信を開始します。キングと、これまで複数のキング作品を映像化してきたマイク・フラナガンが製作総指揮を務め、スマートフォンやSNSのある時代へ物語を移しています。
全8話の『キャリー』でSNSといじめを描く
『キャリー』は、1974年に刊行されたキングの最初の小説です。いじめと超能力による破壊を描く物語は、1976年にブライアン・デ・パルマ監督、2013年にキンバリー・ピアース監督によって映画化されています。
ドラマ版では、登場人物たちが携帯電話やアプリを使い、SNSが物語の重要な要素になっています。出演者には、サマー・H・ハウエルやアンバー・ミッドサンダーが名を連ねます。
Polygonのジェイク・クラインマンはレビューで、キャリーの超能力が引き起こす恐怖に加え、匿名のSNS上の告発によって町全体が追い詰められる描写を評価しています。個人へのいじめだけでなく、オンラインで広がる非難と町の反応も評価点に挙げています。
批評家スコア84%は好意的なレビューの割合
ドラマ版『キャリー』のRotten Tomatoesでの批評家スコアは84%です。同サービスの批評家による総評では、原作への現代的な要素の導入と、出演者たちが演技を発揮する機会を評価しています。
Rotten Tomatoesは映画やテレビ作品のレビューを集約するサービスで、批評家スコアは「Tomatometer」と呼ばれます。承認された批評家のレビューを肯定的か否定的かに分類し、そのうち肯定的なレビューが占める割合を示す仕組みです。
このため、『キャリー』の84%は作品に付けられた点数の平均ではなく、肯定的と分類された批評の割合を表します。控えめな支持も強い称賛も、肯定的なレビューとして同じ1件に数えられ、称賛の強さによる違いは割合に反映されません。
平均評点は、数値で付けられた評価の平均を示す別の指標です。また、観客による評価は批評家スコアとは別に集計されます。
原作は証言や記録を交え、1976年版は人物の体験を追う
原作『キャリー』は、通常の物語文の間に新聞の切り抜き、調査の記録、超能力についての文献、登場人物スー・スネルの回想などを挟む構成です。事件をその場で描くだけでなく、生存者や調査する側の視点から振り返る形式を取っています。
対して1976年の映画版は、こうした記録を組み合わせる枠組みを省き、出来事を連続したドラマとして描きます。原作が複数の視点で事件とその経緯を捉えるのに対し、映画版ではキャリー自身の感情の動きに焦点が置かれています。
事件の規模にも違いがあります。原作では破壊が学校から町のガソリンスタンドや電力設備などへ及びますが、1976年版では学校のプロムと、キャリーを傷つけた人々を中心に描かれています。プロムは高校生のダンスパーティーで、物語の大きな転換点となる行事です。
今回の全8話という形式に関わる原作の要素には、キャリーの個人的な体験に加え、周囲の証言や町の反応があります。
フラナガンが過去作で重視した人物心理
フラナガンはこれまで『ジェラルドのゲーム』『ドクター・スリープ』『The Life of Chuck』を映像化してきました。『ジェラルドのゲーム』では、ベッドに手錠でつながれた女性の思考や記憶を中心とする小説を映像化しています。
『ドクター・スリープ』の制作を振り返ったフラナガンは、『ジェラルドのゲーム』がキングとの信頼関係につながったと説明しました。キングが同作を見ていたことが、『ドクター・スリープ』への参加を認める経緯に関わったとも述べています。
『ドクター・スリープ』では、キングの原作と、スタンリー・キューブリックによる映画版『シャイニング』の異なる描写を調整しました。フラナガンは、主人公ダンと父親がバーで対面する場面について、父親との会話であると同時に、ダン自身の依存症と向き合う場面として組み立てたと説明しています。
また、ダンを人生のどん底にいる状態から登場させたのは、そこから回復へ向かう感情の流れを追うためだったと述べています。製作のトレヴァー・メイシーも、子ども時代のトラウマが成人後に及ぼす影響を作品の中心に据えたと語りました。
Prime Videoでは『ダーク・タワー』も開発中
『キャリー』は、フラナガンとPrime Videoの提携の始まりに当たる作品です。フラナガンは同サービスで、キングのファンタジー作品『ダーク・タワー』の映像化も開発しています。









