a fish that is swimming in some water
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撤去後2年で歴史的分布域の88%に到達

クラマス川では2024年に4基の水力発電ダムが撤去され、100年以上遮られていた上流域への通路が開きました。撤去後2回の遡上期を調べた研究で、チヌークサーモンが再び上流へ移動し、かつての分布域の大部分を利用し始めたことが分かりました。

研究チームの推定では、旧ダム地点より上流へ移動した成魚は2024年に7,742匹、2025年に13,310匹でした。2025年の推定値は、クラマス川流域に戻った魚の18〜19%に当たります。

サケは2年間で345キロメートルの再接続された生息地へ広がり、記録されている歴史的分布域の88%に到達しました。最も高い場所では標高1,250メートルまで移動していました。

濁った水の中を音響ソナーで計測

研究チームは高解像度のマルチビーム画像ソナーを設置し、魚が上流へ通過する様子を調べました。ソナーは音波で水中の映像を作るため、水が濁って光が届きにくい環境でも魚を捉えられます。

調査地点は、撤去されたアイアンゲート・ダムの近くでした。研究チームは秋の遡上期を通じて魚の通過を観測し、体の大きさを測りながら、チヌークサーモンとほかの魚種を見分けて数を推定しました。

ダム撤去後も川の濁りが強く、通常の水中ビデオでの観測は難しい状態でした。音響ソナーを使い、目視では捉えにくい多数のサケの移動を定量的に記録しました。

撤去の背景には水利用と魚類保護の調整

クラマス川流域では、農業、野生生物の保護、部族の漁業などが水に依存し、水の配分や種の保護をめぐる課題が続いてきました。上流のダム群は魚の移動を妨げており、魚類の生息環境の回復が流域の協議事項になっていました。

2001年には絶滅危惧種を保護するため、連邦政府の水供給が大きく削減されました。翌2002年にクラマス川下流でチヌークサーモンの大量死が起きた後、連邦・州政府と流域関係者による解決協議が始まりました。

2010年に発表された合意案には、クラマス川の漁業回復と水供給をめぐる対応が盛り込まれ、4基のダム撤去の手順も定められました。合意案の段階では、撤去によって魚が利用できるようになる生息地は約425マイルと見積もられていました。

生息地への通路は戻ったが、回復には時間が必要

4基のダムがサケの移動を妨げていたため、撤去後は本流や支流の産卵場所へ移動できる範囲が広がりました。米海洋大気庁(NOAA)によると、撤去でサケ、スチールヘッド、ヤツメウナギが利用できる400マイル超の生息地が再びつながりました。

撤去作業では、貯水池にたまった泥や有機物が一度に流れ出す影響を抑えるため、関係機関や部族の専門家が水質を監視しました。作業員は堰の撤去前に土砂などを段階的に放出し、川を濁らせながらも、魚に害を及ぼす可能性がある溶存酸素の低下を避ける方法を取りました。

研究の筆頭著者ダモン・グッドマン氏は、歴史的な個体数に戻るには複数世代にわたる繁殖に加え、生息環境、水質、魚の通過環境の改善が必要だと述べています。