
サウジアラビアのアブハー国際空港とリヤドのキング・ハーリド国際空港が10月6日と7日に攻撃され、計3人が死亡、36人が負傷しました。フーシ派は両空港への攻撃を認めており、イエメン国内で再燃した戦闘が国境を越えてサウジに及んでいます。

両空港の攻撃で3人が死亡
サウジアラビア民間航空総局によると、アブハー空港への攻撃で2人が死亡し、28人が負傷しました。死亡したのはモロッコとアルジェリアの女性で、同局が明らかにしました。

リヤドのキング・ハーリド国際空港では1人が死亡、8人が負傷しました。死亡したのはスーダン国籍の男性です。総局は2空港が攻撃された日付を6日と7日としています。

サウジの民間航空当局は攻撃主体を特定していません。一方、フーシ派の軍事報道官ヤヒヤ・サリー氏は、両空港を弾道ミサイルと無人機で攻撃したと述べました。また、同氏は10月7日にイエメンのアデン国際空港も攻撃したと主張しています。
サウジ主導の連合軍が報復攻撃
サリー氏はサウジによる攻撃への対抗措置として、過去24時間に60回の空爆とミサイル攻撃があったと説明しました。サウジ主導の連合軍は、空港への攻撃は「罰を免れない」と表明し、サアダ、アル・フダイダ、アル・ジャウフ、マアリブ各県のフーシ派軍事拠点80カ所以上を攻撃したと発表しました。
フーシ派はイエメン北西部の広い地域を支配し、サウジが支援する政府側勢力と対立しています。近ごろ戦闘が激化し、フーシ派は紅海沿岸の要衝を制圧したとされます。政府側勢力はその後、紅海南端のバブ・エル・マンデブ海峡を「確保した」と発表し、フーシ派支配地域の奪還を目指す全面戦争を宣言しました。
アラブセンター・ワシントンDCのAnnelle Shelineは、サウジ支援勢力が10月初めに一部地域を奪回し、サウジがフーシ派拠点への空爆を始めたと記しています。Shelineによると、フランス、パキスタン、米国もサウジを支援するため人員を派遣しました。
停戦後に再燃した戦闘
サウジ主導の連合軍は、フーシ派が国際的に承認されたイエメン政府を倒そうとする動きを止めるため、アラブ諸国が加わって2015年に発足しました。2022年には国連の仲介で一時停戦が成立しましたが、近ごろ戦闘が再び激しくなっています。
Shelineは、フーシ派が7月20日にサウジへの封鎖を宣言し、バブ・エル・マンデブ海峡を通る石油輸出を標的にすると表明したと説明しています。Shelineによると、フーシ派はその後、サウジの石油施設と紅海のタンカーも攻撃しました。
TRT Worldが取材した政治アナリストのEsam Alahmadi氏は、フーシ派の攻勢について、イエメン西岸での支配地域を政治・軍事面の成果につなげる狙いがあると分析しました。Alahmadi氏は、フーシ派がバブ・エル・マンデブ海峡周辺で領土を得たことで、世界の海運のおよそ12%を扱う要衝への影響力が強まったとも述べています。
紅海の航路にも影響
バブ・エル・マンデブ海峡は紅海とアデン湾を結び、スエズ運河を通る欧州・アジア間の航路の南側に位置します。海峡周辺の不安定化は、イエメン国内の戦況にとどまらず、国際海運が利用する航路の安全にも関わります。
TRT Worldの取材に対し、International Crisis Groupのイエメン担当上級アナリストAhmed Nagi氏は、フーシ派が紅海での作戦を通じてイエメン国外にも力を及ぼせると示したことで、要求を強め、サウジとイエメン政府への圧力を高めたと話しました。同氏は、2022年の停戦後にイランがフーシ派を抑制する動機を持っていたが、米国とイスラエルによるイラン攻撃後は、その動機が弱まったとも分析しています。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、フーシ派によるサウジへの越境攻撃を非難し、戦闘の急激な激化に深い懸念を示しました。国連は10月7日、最近の戦闘激化によって20万人以上が避難したと発表しています。








