
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナ、ロシア、米国が来月に三者協議を開くことで合意したと述べました。領土問題をめぐる立場の隔たりと、停戦後の安全保障の枠組みが引き続き課題です。
三者協議は来月、首脳会談も求める
ゼレンスキー氏は、ロシアのプーチン大統領との会談も改めて求め、領土問題を話し合う意向を示しました。米国が仲介する新たな協議は、トランプ政権の仲介による4回目となる見込みです。
ロシア大統領府報道官は、次回協議の開催地としてアラブ首長国連邦の首都アブダビを挙げ、時期は11月中旬ごろになる可能性があると述べました。これまでの協議は2月にジュネーブで行われています。
協議再開に向けた合意は、米国の特使スティーブ・ウィトコフ氏がオスロとロシアのサンクトペテルブルクを訪れ、ゼレンスキー氏とプーチン氏に会った後にまとまりました。一方、両国軍は戦闘を続け、長距離攻撃も行っています。
領土をめぐる要求は隔たったまま
ロシアは、2022年の全面侵攻後に併合を宣言したドネツク、ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソンの4州全域の支配を求めています。さらに、2014年に占領したクリミアもロシア領だと主張しています。
ロシアはウクライナ領の約20%を占領していますが、主権を主張する4州の全域を掌握しているわけではありません。ロシア軍はドネツク州とルハンスク州の大部分を支配し、ザポリージャ州とヘルソン州の一部、さらに北東部のハルキウ州の一部も占領しています。
ロシアはウクライナ軍に4州からの撤退を求め、NATO加盟申請の放棄、軍の規模縮小、ロシア語やモスクワ系正教会への制限撤廃も要求しています。ウクライナは、占領地を譲れば将来の攻撃に対して脆弱になるとして、領土の割譲に反対しています。
停戦の順序と安全保障も争点
ゼレンスキー氏は、まず前線の位置を固定する停戦を行い、その後に戦争終結の条件を協議する案を支持しています。ロシアは、自らの条件を含む包括的な合意が成立するまで、戦闘を止めることを拒んでいます。
ウクライナは、将来の合意を維持するには西側諸国の安全保障が必要だとしています。NATO加盟を望む一方、プーチン氏は加盟に反対し、米政権も現時点でその選択肢を退けています。
協議では、米国による直接保証や、欧州主導の30カ国による「有志連合」の支援も案として挙がっています。ゼレンスキー氏は、保証の基礎として規模と能力を備えたウクライナ軍と、そのための明確な資金が必要だと述べました。
人道支援の停戦と続く攻撃
和平協議の再開に向けた動きと並行し、ウクライナとロシアは、南部ヘルソン州で孤立した町に来週支援物資を届けるため、局地的な停戦に合意しました。合意は、メラニア・トランプ米大統領夫人と両国の民間交渉担当者による協議の後に発表されました。
プーチン氏が協議再開に「原則合意」したと述べた数時間後、ロシアはキーウに弾道ミサイルとドローンによる攻撃を行いました。同じ日にロシア政府は、自国の都市に向かっていたウクライナのドローン800機超を破壊したと発表しました。
捕虜交換や戦死者の遺体返還について、両国間では限られた連絡が続いています。安全保障の取り決めについては、これまでの協議で進展がありませんでした。







