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米国の健康な成人を対象にした4週間のオンライン試験では、慈悲の瞑想は進行性筋弛緩法より社会的支援を高めず、痛みの指標でも優位性を示しませんでした。筋弛緩法群では、感じている社会的支援がわずかに増えました。

69人が参加したオンライン比較試験

試験には、瞑想経験や慢性痛のない18〜55歳の成人が参加しました。75人が登録し、脱落者を除く69人を分析しました。

参加者は、慈悲の瞑想を行う群と進行性筋弛緩法を行う群に無作為に割り当てられました。どちらの群も4週間、週6回、1回15分の音声ガイドを使い、予定回数の約88%を平均して実施しました。

開始前と約5週間後に、参加者は壁に背をつけて腰を落とす「ウォールシット」を行いました。不快感を感じ始めるまでの時間と続けられた時間を測り、痛みの強さも自己評価しました。

社会的支援は筋弛緩法の群で増加

慈悲の瞑想では、自分から始め、親しい人や距離のある人などに安全や幸福を願う練習をしました。筋弛緩法では、社会的な内容を含めず、体の筋肉を順番に緩めました。

社会的支援の自己評価は、筋弛緩法群で36点満点の28.4点から29.2点へ上がり、慈悲の瞑想群では28.5点から27.4点へ下がりました。群間差は統計的に有意でした。

孤独感は筋弛緩法群で低下しましたが、群間差は有意水準にわずかに届きませんでした。不安、日々の援助行動、他者と過ごした時間などにも、両群の差は確認されませんでした。

痛みの指標では群間差なし

ウォールシットを続けた時間は、筋弛緩法群で平均約8秒延びました。慈悲の瞑想群ではほぼ変化がなく、群間差は統計的に有意ではありませんでした。

運動中に感じた痛みの強さにも、有意な変化はありませんでした。研究チームが想定した、慈悲の瞑想が社会的なつながりを高め、それを通じて痛みを和らげるという結果は得られませんでした。

一方、試験全体では、4週間のあいだに社会的支援の自己評価が高まった人ほど、追跡時にウォールシットの時間が延びる傾向がありました。この関連は小さく、各群で見ると統計的に有意ではありませんでした。

筋弛緩法が比較対象として果たす役割

進行性筋弛緩法は、筋肉を順番に緊張させてから緩め、そのときの感覚に注意を向ける方法です。緊張を自覚し、力を抜く感覚を学ぶことも練習の一部です。

ストレスによる筋肉の緊張は、すでに痛む部位の痛みを強める可能性があります。ストレスに伴うホルモン系の変化も、痛みに対する感受性に影響する可能性があります。

身体の反応、考え、感情、行動は互いに影響し、痛みやストレスの循環を形づくります。この考え方は、筋肉の緊張を緩める練習を比較対象に置いた今回の試験と関係しますが、今回の結果だけで筋弛緩法が痛みを軽減したとはいえません。

対照群の違いが結果の読み方を左右

今回の比較対象は、何もしない待機リストではなく、同じ期間に実施する筋弛緩法でした。そのため、結果が示すのは慈悲の瞑想と筋弛緩法の比較であり、瞑想をしない場合との差ではありません。

健康な成人を対象にした2018年の瞑想研究のメタ分析では、社会的つながりの指標に瞑想の効果は認められませんでした。思いやりの指標では効果が見られましたが、待機リストを対照群にした場合に限られ、能動的な対照群を用いた試験では確認されませんでした。

今回の試験は、新型コロナウイルス感染症の流行初期に実施され、対面での交流が制限されていた時期のデータです。著者らは、社会的接触の制限やストレスが、社会的支援や痛みの報告に影響した可能性を考慮する必要があるとしています。