Vaccinium corymbosum Beeren
写真: Darkone ( talk · contribs ) / CC BY-SA 2.5 / Wikimedia Commons

3カ月の試験で抑うつ症状を調査

65歳以上で身体活動が少なく、軽度の抑うつ症状がある成人を対象に、ブルーベリー粉末を毎日摂取する試験が行われました。試験を完了した参加者は18人で、ブルーベリー群は10人、プラセボ群は8人でした。

参加者は3カ月間、ブルーベリー粉末48グラム、または栄養成分を合わせたプラセボ粉末を毎日摂取しました。48グラムは生のブルーベリー約2カップ分に相当します。

試験は無作為化、二重盲検、プラセボ対照で実施されました。抑うつ症状は介入の前後に質問票で評価し、腸内細菌の種類や遺伝子、腸内細菌が作る短鎖脂肪酸も調べました。

気分の改善幅はプラセボ群と有意差なし

ブルーベリー群では、抑うつ症状の減少がより大きく、一貫して見られました。ただし、症状の変化はプラセボ群との比較で統計的に有意ではありませんでした。

この試験結果は、ブルーベリーが抑うつ症状を改善したことを示すものではありません。研究は少人数の予備的な試験であり、気分への影響を判断するには、より大きな研究が必要です。

試験を主導したCourtney L. Millar氏は、ブルーベリーに含まれる食物繊維とアントシアニンが、腸内細菌や抑うつ症状に関係する代謝物に影響する可能性を調べることが研究の目的だったと述べています。

腸内細菌の全体量や代謝物は変わらず

腸内細菌の種類ごとの量、MetaCyc代謝経路、短鎖脂肪酸の代謝物には、試験期間中に変化が見られませんでした。短鎖脂肪酸は腸内細菌の活動によって作られる化合物です。

一方、ブルーベリー群では、腸内細菌の複数の酵素に関係する遺伝子の量に統計的に有意な変化がありました。

その一つが、ポリアミン輸送ATPアーゼ(EC 3.6.3.31)に関係する遺伝子です。この酵素は、脳の神経伝達に関わるγ-アミノ酪酸(GABA)の産生に関与します。

腸内の変化と気分の関係は今後の課題

今回の結果では、酵素関連遺伝子の変化と抑うつ症状の変化が結び付いているかは明らかになっていません。腸内細菌に関わる測定値の一部に変化があったことだけで、気分への影響が示されたとはいえません。

研究成果は「Journal of Nutrition, Health and Aging」に掲載されました。研究チームは、腸内細菌の変化が気分や抑うつ症状の意味ある改善につながるかを明らかにするには、より大規模な研究が必要だとしています。