
6コアのAMD試作チップがベンチマークに登場
OpenBenchmarkingに、AMDの6コア・12スレッドの試作チップが登録されました。LPDDR5メモリを24GB搭載し、データ転送速度は9,600 MT/sです。次世代Steam Deck向けとの見方がありますが、AMDとValveは関連を公表していません。
試作チップの型番は「100-000001930-12_Y」で、AMD GBR-FF6-SKT検証ボード上で動作していました。CPUの動作周波数は2.4GHzで、メモリにはSK Hynix製の6GBパッケージが4個使われています。
現在のSteam Deckは、Zen 2世代の4コア・8スレッドCPUと16GBのLPDDR5メモリを搭載しています。メモリの転送速度は6,400 MT/sで、32ビット幅のチャンネルを4本備えています。
Zen 6世代の可能性とGPUベンチマーク
試作CPUのマイクロコード改訂情報は、AMD Family 1AhのモデルDChに対応しています。Linuxカーネルの変更では、このモデル番号が新しいZen 6プロセッサ向けに確保された範囲に含まれるとされています。
この情報はZen 6世代を示唆します。
内蔵GPUの登録クロックは2,400MHzでした。Ubuntu 24.04で解像度1,024×768のGpuTestを実行した結果は、GiMarkが3,871、FurMarkが3,508、TessMarkが9,319です。
メモリ速度が示す理論帯域
同じメモリバス幅でデータ転送速度が6,400 MT/sから9,600 MT/sに上がると、理論帯域は50%増えます。転送速度が1.5倍になるためです。この比較は、試作チップのバス幅が現行機と同じ場合に限ります。
現行Steam Deckの4本の32ビットチャンネルを合計すると、バス幅は128ビットです。この幅で計算した理論帯域は、6,400 MT/sで毎秒102.4GB、9,600 MT/sで毎秒153.6GBです。
LPDDR5の理論帯域は転送速度とデータバス幅の積で表されます。試作チップの理論帯域を算出するには、転送速度に加えてデータバス幅が必要です。
実際の性能は構成や負荷にも左右される
メモリ規格の理論帯域と、実際の処理で利用できる帯域は異なります。LPDDR5のシミュレーション研究では、連続アクセスで理論値に近い帯域が得られる一方、ランダムアクセスでは構成によって利用率が変わると報告されています。
同研究では、ランダムアクセス時のバンク構成やバースト長が帯域利用率に関わり、LPDDR5の一部設定では転送速度が高くても利用率が落ちる結果が示されています。9,600 MT/sという数値だけから、ゲーム中のフレームレートや体感性能は判断できません。
GPUのベンチマーク結果は、完成した携帯ゲーム機の性能を示すものではありません。試験は検証用基板と開発ソフトウェアで行われました。製品のゲーム性能は、電力制限、冷却、ドライバー、GPUの最終構成にも左右されます。
Steam Deck後継機との関係は未確認
CPUコア数、メモリ容量、転送速度はいずれも現行Steam Deckの仕様を上回る構成です。ただし、試作チップが次世代Steam Deckに採用されるかどうかは、現時点で確定していません。










