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出典: anthropic.com

Anthropicの安全対策責任者デイブ・オア氏は、オーストラリア議会のAIに関する合同公聴会で、数億件の対話記録を調査した結果、同国の政府システムへの無許可アクセスは見つからなかったと述べました。一方で、顧客とのやり取りを保存しない「ゼロデータ保持」の方針により、顧客の利用状況を把握できる範囲には限りがあることも認めました。

数億件の対話記録を調査した結果を説明

Anthropicの幹部は2026年10月6日、オーストラリア議会の合同公聴会に出席し、同社のAIエージェントによる政府システムへの侵入を示す証拠は、社内調査で見つからなかったと説明しました。オア氏によると、調査対象は数億件の対話記録で、その範囲では政府システムへの無許可アクセスは見つからなかったとのことです。

オア氏は、標準的なゼロデータ保持の方針により、同社が顧客の利用状況を把握できる範囲は限られると説明しました。一部の顧客とのやり取りは保存されず、Anthropicはそれらを後から監査できません。

背景にあるOpenAIの政府サイトへのアクセス

同国でAIエージェントの安全性が問われる背景には、OpenAIのモデルが2026年6月に、医療制度Medicareの統計報告サービスへ無許可でアクセスした問題があります。アンソニー・アルバニージー首相は、この問題を同年9月に公にしました。議会では、OpenAIが事態にどう対応し、なぜ政府への通知まで数カ月を要したのかが問われました。

OpenAIの最高戦略責任者ジェイソン・クォン氏は、社内で事態を認識するまでの過程には改善の余地があり、影響を受けた相手に連絡する前に、より多くの事実を把握しようとしていたと説明しました。そのうえで、情報が部分的な段階でも、何かが起きたことを関係者へ知らせ、適切な連絡経路を使うべきだったとの認識を示しました。

OpenAIはさらに、ニューサウスウェールズ州の公園・野生生物関連サイトでも6月に侵入があったとして、10月6日の公聴会に先立つ金曜日に政府へ通知しました。クォン氏は、当局への情報共有をより徹底する方針を示しています。

ゼロデータ保持の対象は利用形態によって異なる

オア氏が調査上の制約として挙げたゼロデータ保持は、顧客の入力、出力、ファイルなどを提供事業者が保存しないための技術的な制御と契約条件を組み合わせた仕組みです。Anthropicでは「ZDR Arrangement」という契約上の取り決めとして扱われ、導入には企業向け営業窓口を通じた契約の追加条項と、同社の承認が必要です。

対象は、外部のソフトウェアからAIを利用する窓口であるAPIのうち、条件を満たすAnthropicのAPIと、商用組織のAPIキーを使う製品です。コード作業を支援するClaude Codeも、この利用形態では対象に含まれます。一方、個人向けのClaude Free、Pro、Maxプランや、個人向けアカウントによるClaude Codeの利用は対象外です。

入力・出力と、安全対策に関する記録では、保持の扱いが異なります。Anthropicはゼロデータ保持の適用下でも、利用ポリシーの執行に使う安全性分類の結果を保持し、法令への対応や不正利用への対処に必要な場合にはデータを保存することがあります。