
Bambu Labの親会社Shenzhen Tuozhu Technologyは、造形面を均一に加熱するヒートベッドの米国特許を出願しました。ベッド本体の溝に発熱体を通す構造で、大型造形物の反りや剥がれを抑える狙いがあります。
ベッド本体の溝に発熱体を配置
米国特許出願US20260264331A1は2026年9月10日に公開されました。Shenzhen Tuozhu Technologyの出願案では、ヒートベッド本体と底ケースの間に発熱体を置き、本体の底面に沿わせて加熱します。
従来の一般的な構成は、アルミ板にシート状ヒーターを貼り、その上に造形プレートを磁石などで固定する方式です。今回の案では、板に加工した溝へ発熱体を通し、造形面の端や角まで熱を届けます。
発熱体は溝の中をループ状に通り、両端を電源につなぐ設計です。Shenzhen Tuozhu Technologyは、造形面の接着性と印刷品質の改善を狙っています。
温度差が造形物の反りにつながる仕組み
樹脂を高温で積層した後、造形物が急速に冷えると、部位ごとに温度差が生じます。FFF方式の熱伝達を調べた研究は、冷却に伴う収縮の差が残留応力を生み、反りや層間剥離につながると説明しています。
FFFは、熱可塑性樹脂をノズルから押し出し、層を重ねて造形する方式です。この研究は、造形中の熱の移動を理解することが、応力や接合強度を予測し、安定した印刷を行ううえで重要だとしています。
ABSをペレットから造形する別の研究では、平均温度だけでなく、造形面の温度分布をそろえることが平面形状の反りを抑えるうえで重要でした。赤外線加熱を使った実験では、造形面を90℃に保ち、樹脂の接合部を約108℃にした条件で、反りのないプレートが得られています。
均一化の方法は溝への発熱体配置だけではない
ヒートベッドでは、中央が端より高温になりやすいという課題があります。Ultimakerは、中央と端で発熱特性を変える方法や、複数のヒーターを個別制御する方法を既存の対策として挙げています。
Ultimakerは、アルミ製のベースプレートにヒートパイプやベーパーチャンバーを組み込み、熱を広げる方法も提案しています。Ultimakerによると、アルミの熱伝導率は340 W/mKで、熱伝導部材は通常3000 W/mKを上回ります。
この方法では、プレートの熱を伝える部材を加えます。一方、Bambu Labの出願案は、ベッド本体の溝に発熱体を通す構造で、熱を広げる部材を組み込む提案とは仕組みが異なります。
出願段階で、性能や価格への影響はこれから
Shenzhen Tuozhu Technologyの出願にはCoreXY方式の3Dプリンターに関する請求項もありますが、ヒートベッドの設計と結び付いています。一般的なCoreXYプリンター全般が対象になるという意味ではありません。
出願は審査中です。特許が成立した場合の権利範囲は、請求項の解釈に関わります。
新しい構造の造形性能や改善幅はまだ示されておらず、既存方式との比較結果もありません。アルミ板の溝加工には材料費や加工費がかかる可能性があり、特許が成立すれば交換用ベッドやプリンターの価格に影響する可能性もあります。











