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出典: platform.theverge.com

Anthropicは、参加を希望するオープンソースプロジェクトに無料で定期的な脆弱性スキャンを提供する「OSS Scanner」を開始しました。Claude Mythosを含む同社のモデルが報告を作成しますが、人による確認は行われないため、保守者には報告の検証も求められます。

OSS Scannerは申請したプロジェクトを無料で定期検査

Anthropicによると、OSS Scannerはオープンソースのコードを対象に、同社のモデルで脆弱性を探すサービスです。企業向けのコード検査・修正製品「Claude Security」とは異なり、オープンソースプロジェクトに無料で提供します。

利用を希望するプロジェクトは、コアメンテナーが専用のGitHubリポジトリに、所定のテンプレートに沿ったプルリクエストを提出します。対象となるのは、OSS-Fuzzと同様に、インフラや利用者の安全に重大な影響を与えるプロジェクトで、Anthropicが個別に判断します。

スキャン結果はモデルが作成し、人によるレビューや振り分けを経ずにプロジェクトへ届きます。Anthropicは、この方式により検査をより速く、頻繁に行える一方、報告に誤りが含まれる可能性もあると説明しています。The Vergeは、人の確認を経ずに報告される点をサービスの特徴として報じ、AIによる報告への対応に苦慮するオープンソースプロジェクトもあると紹介しました。

Anthropicは検査実績と報告の精度を公表

Anthropicは過去6カ月に、重要なソフトウェアプロジェクトの脆弱性を調べ、候補となる問題を2万9,000件以上見つけたとしています。そのうち手作業で確認・振り分けできたのは約6,000件で、人による検証能力が処理の制約になっていたと説明しています。

人による確認前の報告を希望したメンテナーには、これまでに約5,000件を送ったといいます。Anthropicは、検証済みの報告について従来の調整された脆弱性開示プロセスを続け、特に報告を自ら選別する余力がないプロジェクトを支援するとしています。

初期検証では、48プロジェクトから重大または高深刻度と判定された97件を専門の侵入テスターが調査しました。Anthropicによると、85件は同社の開示基準を満たし、残る12件のうち11件は既知の問題との重複などで、無効な報告は1件でした。ただし、Anthropicは深刻度が実際より高く評価されたり、プロジェクトの脅威モデルを誤解したりする場合もあると述べています。

比較研究では検出率と誤検知に異なる課題

CodeQLなどの静的解析ツールは、実行せずにコードを調べ、あらかじめ定めたルールやデータフローのパターンから問題を探します。2025年の比較研究は、10件のC#プロジェクトに埋め込まれた63件の脆弱性を対象に、3つの静的解析ツールと3つの大規模言語モデルを評価しました。

その研究では、GPT-4.1、Mistral Large、DeepSeek V3のF1スコアはそれぞれ0.797、0.753、0.750で、SonarQube、CodeQL、Snyk Codeの0.260、0.386、0.546を上回りました。研究では、言語モデルの優位性は主に再現率の高さによるとされていますが、この結果は特定の10プロジェクトと63件を使った評価に限られます。

一方、同研究ではDeepSeek V3の誤検知率が最も高く、すべての言語モデルで問題箇所を行・列単位で正確に特定しにくい課題も見られました。別の28件の実在する脆弱性を使った比較では、Trent AIが、Claude Codeはリポジトリ内で問題の種類を見つける割合が65%でも、修正対象のファイルを特定できた割合は8.7%だったと報告しています。同社の評価ではSemgrepは問題の種類を約43%で見つけ、ファイルの特定率はSemgrepとCodeQLがともに約3.6%でしたが、誤検知の精度は評価していません。

報告の検証と優先順位付けは保守者の作業に残る

OpenSSFとCNCFは、ガイドで研究者に対し、脆弱性報告に再現手順や脆弱性の実証資料を添え、可能であれば修正案も示すよう勧めています。修正後の再発を防ぐためのテストケースも、報告に含める要素として挙げています。

OpenSSFとCNCFは同ガイドで、同じツールを使う複数の人から重複報告が届くことや、AIが深刻度を過大評価することを課題に挙げています。報告を受ける保守者にとって、再現可能性や重複の確認、プロジェクトの脅威モデルとの照合が、報告内容を判断する手がかりになります。

Chromiumのセキュリティチームは、AI生成の報告も通常の脆弱性と同様に扱う一方、深刻度がまだ担当者に確認されていない場合があると説明しています。担当者は評価に異議があれば、理由を添えて深刻度を変更できます。また、ChromeではS0を1週間以内、S1を4週間以内に修正する優先度の目安を設けていますが、これはChromeの運用基準です。OSS Scannerの報告は人の確認を経ないため、報告の増加を検出の速さにつなげられるかは、受け取る側の検証や優先順位付けにも左右されます。