Blue Origin reveals 65-foot solar tower designed to power future bases on the Moon
出典: techspot.com

Blue Originは、月面での電力供給を想定した高さ20メートルの太陽光発電設備「Power Tower」を公開しました。着陸後に垂直に展開し、10キロワットを超える発電を目指す設計です。NASAが想定する居住設備や資源採掘では、これを上回る電力が必要になる場合もあります。Power Towerは月面電力網を構成する一要素です。

着陸後に高さ20メートルまで展開

Blue Originが示したアニメーションでは、着陸した機体から中央のマストが伸び、その後、腕状の部材と太陽光パネルが展開します。パネルを地表から高い位置に置き、月面の地形による遮蔽を避ける設計です。

同社は、Power Towerを月面南極の「Moon Base」運用向けと説明しています。南極では日光が低い角度から差し、クレーターや尾根の影響で近距離でも日照条件が変わり得ます。

タワーはモジュール構造で、着陸機の外にある必要な機器へ電力を届ける設計です。月面での電力利用先として、通信、温度管理、科学機器、コンピューター、移動システムなどが挙げられています。

10キロワット超と月面の需要

NASAの月面電力計画では、居住設備の電力需要を滞在中に20〜50キロワットと見積もっています。月面ローバーは1台あたり約500ワットが想定されており、10キロワット超の出力は単純換算で約20台分に相当します。ただし、これは出力の比較であり、稼働時間や配電条件を含む運用能力を示すものではありません。

NASAの資料では、水資源の採掘や処理を行う現地資源利用(ISRU)は最大の電力利用者とされ、需要は60キロワット以上、必要な電力を届ける距離は3〜5キロメートルとされています。この需要と比べると、Power Tower単体では資源利用設備に必要な電力をまかなえません。

NASAは別の月面電源構想として、40キロワット級の核分裂発電システムを検討しています。初期設計の条件は質量6トン未満で、居住設備、ローバー、予備電力網、科学実験への電力供給を想定しています。太陽光タワーとこの計画は異なる電源方式であり、示された数値から、それぞれの構想の規模を比較できます。

太陽光と核分裂発電を組み合わせる構想

NASAは月面電力について、太陽電池に加えて蓄電池や燃料電池、核分裂発電を組み合わせる構成を挙げています。核分裂発電は、日光が得にくい場所や月の夜間にも電力を供給する選択肢として説明されています。

NASAの核分裂発電計画では、太陽光の有無にかかわらず、月面や火星で少なくとも40キロワットを供給するシステムの設計を進めています。同機関は、月面での実証を将来の持続的な活動や基地の検討につなげる方針を示しています。また、NASAは地球上の着陸機または月面ローバーから自律運転できるシステムの設計を企業に求めていました。

2024年にNASAが説明した初期設計では、核分裂炉を人の介入なしに10年間運転する目標が含まれていました。同計画では、月で1年間の実証を行った後、9年間の運用を想定しています。これらはNASAの核分裂電源に関する構想であり、Blue OriginのPower Towerに組み込まれる機能として示されたものではありません。

既存の太陽光技術開発との接点

Power Towerは、Blue Origin傘下のHoneybee Roboticsが手掛けた「Lunar Array Mast and Power System(LAMPS)」の先行研究を基にしているようです。LAMPSは2024年にNASAのジョンソン宇宙センターで展開試験が行われました。

NASAのVertical Solar Array Technology(VSAT)計画も、月面向けの垂直型太陽光アレイを検討してきました。NASAの技術資料では、約9メートルのマストを自律展開し、傾斜地で安定させ、月の塵に耐えるシステムが開発目標に挙げられています。

Blue OriginはPower Towerの開発段階や月面への輸送時期を明らかにしていません。