F-117-acc
写真: U.S. Air Force Photo by Staff Sgt. Andy Dunaway / Public domain / Wikimedia Commons

F-117ナイトホークは2008年に戦闘任務から退役しましたが、米空軍は一部の機体を飛行可能な状態に保ち、訓練や試験に使っています。2025年にはKC-46Aから空中給油を受ける姿も撮影され、運用は少なくとも2034年まで続く見通しです。

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写真: Airman 1st Class Moises Vasquez / Public domain / Wikimedia Commons

退役後も続く限定飛行

F-117は、レーダーに探知されにくい「低被探知性」を備えた攻撃機です。米空軍の機体は2008年に退役しましたが、全機が廃棄されたわけではありません。一部は研究開発、試験、訓練のために飛行を続けています。

機体はネバダ州のトノパ試験場に置かれています。米空軍は演習で敵側の航空戦力を演じる「レッドエア」などにF-117を使い、現役機の訓練に役立てています。

機体の呼称に「F」が含まれますが、F-117は空中戦を担う戦闘機ではなく、地上目標への攻撃を目的に設計されました。初飛行は1981年、運用開始は1983年で、初の実戦任務は1989年のパナマ侵攻でした。

平面形状と吸収材でレーダー反射を抑える

F-117の角ばった外形は、機体に当たったレーダー波の多くを送信元とは異なる方向へ散らすよう設計されました。機体表面には電波吸収材(RAM)も使われ、レーダー反射をさらに抑えます。

開発中には「Hopeless Diamond」と呼ばれる木製模型が作られ、モハーベ砂漠の試験場でレーダーによる観測が行われました。F-117 Stealth Fighter Associationによると、レーダーは模型を捉えず、模型に止まった鳥を検知しました。

こうした平面形状は空力的な不安定さを招き、機体は三つの軸すべてで姿勢を保ちにくい設計になりました。試作機の飛行には、操縦入力を補正するフライ・バイ・ワイヤ(電気信号で操縦する方式)が使われています。低被探知性はレーダーに映らなくなることを意味せず、1999年にはセルビアの防空部隊がF-117を撃墜しました。

演習でステルス機や巡航ミサイルを模擬

F-117は演習で低被探知目標の代役を務め、現役のパイロットや防空部隊が探知・追跡・対処を練習するために使われています。実機を飛ばすことで、訓練環境にステルス機に近い目標を組み込めます。

また、大規模演習では、F-117を低被探知性のある巡航ミサイルの模擬目標として使うことがあります。2020年以降、ノーザン・エッジやレッドフラッグなどの演習で運用されてきました。

試験では、レーダーや赤外線追跡装置などの技術を試す機体としても使われています。こうした任務でF-117は戦闘任務に復帰しているのではなく、訓練と技術試験のためのプラットフォームとして飛行しています。

空中給油を実施、運用は2034年までの見通し

2025年には、F-117がKC-46A空中給油機から給油を受ける様子が撮影されました。退役から長い時間が経った後も飛行が続いています。

米空軍は2017年、F-117を年最大4機ずつ処分できるようになりました。2022年の契約情報請求では、年間の処分数として2〜3機が上限に挙げられています。2019年には、保有する51機のうち12機を最終的に博物館へ移す計画も示されました。

残存機の運用は少なくとも2034年まで続く見通しです。Simple Flyingは、現在の米空軍にはより新しい攻撃手段があり、F-117を実戦に再投入する可能性は低いと評価しています。